欲の無い者は何を考えているのか分からない。何か欲しがれよ、地位とか名誉とか土地とか金とか女とか何でもあるだろうが。
この物語はフィクションです。
西暦1582年6月12日
14時30分 近江国・安土城
「日向守。久太郎。真にご苦労だった。
儂は幸せ者じゃ、2人共に得難い家臣じゃ。」
「大殿。お褒めに預かり光栄にございまする。」
「某を参議にして頂き、身に余る光栄にございまする。」
「うむ。頼りにしているぞ2人とも。
それはそうと、ガルベス殿への恩賞じゃ。」
「この8日間のガルベス殿の働きで、織田家の日の本での地位は盤石となった。
大坂城も目処が付いた。本丸の土地・総構えの城壁・大水堀は全てガルベス殿が作ってくれた。
あとは大阪城本丸の建築のみじゃ。」
「安土城建築の総奉行・丹羽五郎左衛門尉長秀に、大坂城も任せる。
建築の実行も同じく安土を建てた、岡部又右兵衛・岡部以俊親子じゃ。
大坂城の心配が無くなったのは大きい。」
「「ははぁ~。おめでとうございまする。」」
「二人ともガルベス殿への恩賞じゃ。どうする。
世間には久太郎が全ての功績を背負ってもらうが。
実際に儂はガルベス殿に何を授ければ良い?。」
「・・・、・・・、難しいかと。
地位も名誉も土地も金も女も・・・、首都レンタイに帰る事しか頭にないガルベス殿には響きませぬ。」
「だからと言うて何もせぬ訳には行かぬ、そうであろう。」
「大殿、久太郎の意見を申しまする。
ガルベス殿が欲しい物が出来るまで、待つのは如何でしょう。
本当に何を授けても、ガルベス殿は喜んではくれるでしょうが。
本心から欲しい物で無い限りそれは、演技かと。」
「ぬぅ~、致し方なしか。
要らぬ物を無理に押し付けても、ガルベス殿が気遣うばかりで却って良くないか。
相い分かった、ガルベス殿が欲しい物が出来るまで、待つとしよう。」




