清水の舞台から飛び込める奴が大勝する
この物語はフィクションです。
西暦1582年5月30日
8時00分 京付近
「皆の者急げ。あと僅かでレパトリ殿がいる場所に着くぞ。
付いてこれぬ者は咎めぬ故に、後続に下がるのだ。」
「お、大殿。本当にやるのですか。」
「無論だ。久太郎。ネゴ殿・ガルベス殿、そしてレパトリ殿本人が構わないと言っているんだ。
儂はやるぞ。これで日の本の支配者となるのじゃ。
レパトリ殿が出現したのは、儂を上へ押し上げる天の配剤じゃ。
もはや異論は許さぬ。
久太郎、主と言えども無理に付いてくる事は無い。儂は咎めたりせぬ。」
「大殿。承知致しました。
この久太郎、どこまでもお供致します。もう異論は申しませぬ。」
「よし。行くぞ。京は恐慌状態だ。早く事態を収拾するぞ。」
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8時10分 京付近
私の名は堀久太郎秀政。大殿の側近として御側に置いて頂いている。
大殿からの信頼は厚い・・・それゆえに日向守殿と同じく、レンタイ国との交渉を任されている。
本日の未明にネゴ殿が突然、安土城に現れて私に衝撃をもたらした。
レンタイ国があった大陸の近辺にいたという、赤紫大蛇の怪物。
レパトリ殿が京に出現していると。
ネゴ殿の話では既にガルベス殿がレパトリ殿と会っており。
話し合いが出来て、レパトリ殿の好物である牛の肉をたらふく食べさせたと。
レパトリ殿は落ち着いているし、人に危害を加えたり、物を壊す事も無い。
但しレパトリ殿は全長が15m、それに何より地上から約5~6Mの高さに浮いている。
(本来はもっと高度があるのだが、今の所はなぜか自由に上昇する事が出来ない。)
私は直ぐに大殿にお目通りを願い、以上の事を伝えると。
大殿からは『それならレパトリ殿の頭に乗って、京の市中を移動して混乱を抑える。』と言い出した。
ネゴ殿→←ガルベス殿→←レパトリ殿で、可能かどうか確認してもらった所。
レパトリ殿は全然構わないと返事が来た。
如何な何でも本当か・・・。大蛇の怪物の頭の上に大殿が乗る等と・・・。
私は止めようとしたが、大殿は止まらない。
た、確かにこれが成功すれば市中は収まるだろう。
大蛇の怪物は織田様の支配下にあるのだから、もう大丈夫だと落ち着く。
それに大殿の言う、『日の本の支配者』にも成れるだろう。
織田家の強大な軍事力・経済力に加えて、ご当主様が大蛇の怪物を支配下に置くんだから、誰も何も抵抗する事等出来ない。
ただいくらレンタイ国側が太鼓判を押してくれているとはいえ。
万が一何か間違いがあり、大殿が亡き者となったら日の本は大混乱。
少し前までの戦乱に逆戻りになりかねない。
古賢曰く『博打を打たない奴は大勝しない。』
確かにその通りだが、これは大殿の人生の中でも大きな博打になるな。
上手く・・・上手く行ってくれ。
私は余り神仏に願う方では無いはずだが、今は何でも良いから心中で拝み倒している。




