最終回特別編前半戦
特別編。
「はーい。それでは特別編だよ」
「硬いですって硬い。表情が硬過ぎますってボウ田さん」
「もしかして映ってるの? 」
「そんな訳ないでしょう? 映ってたら事故ですって」
「名前忘れちゃったな。それで穿いてるの? 」
「だから穿いてないって! どうせ見えないんだから」
「でもさ何で僕たちがここに? 」
「はい。これより異世界スタジアムからお伝えします」
「だからどうやって映るのさ? 誰が見てるの? 」
「知りませんよ! 飛ばされまくってついにここまで来たんですから」
「SFなの? もしかしてホラー? 週末だってジャラジャラしたいから頼むよ」
「若干ボウ田さんのやる気が出たところでプレーボール! 」
「嘘…… こんなところにスタジアムあるの? 野球やってる訳? 」
「はい。シュワシュワ王国のヘルド村には素晴らしい選手が揃っています。
ではそろそろ試合に参りましょうか? 」
「待ってよ…… ゲストはどうなってる? 」
「ははは! ここは異世界ですよ? 人間いると思いますか?
ボウ田さんも分かってないな」
「君最近馴れ馴れしいよ。僕を誰だと思ってるんだ? 」
「さあ誰でしたっけね? 」
「徹マンのボウと地元では恐れられてる飲んだくれのタマタマ人だ。
僕をモデルにした映画だって。インド行った奴ね。
あれは漫画家の先生とたまたま河原で会って…… ごめんくしゃみが! 」
「何と異世界でも花粉症でしょうか? とにかく自己紹介ご苦労様です」
「いやその…… 鼻が鼻が垂れる…… 」
「おっとお見苦しいところをお見せしました。チャンネル替えられたかな?
とりあえずボウ田さんの言う通りゲストを紹介しないと始まりませんね。
それではどうぞお越しください」
「どうも。ラクエラ村から来ましたビアンカです! 」
「初々しいな。うんそれにかわいいし。どう僕の…… 」
「おっと! ボウ田さんのセクハラ発言をストップ。これは好プレーか?
どうです解説のボウ田さん? 」
「違うんだって! 気持ちの上ではそう思ってるよ。でも僕だって大人だから。
今言おうとしたのは僕の隣に座ってもいいよ。あっちの人は穿いてないからねと」
「言い訳は見苦しいですよ」
「違うって! それでこの子は何でここに? 」
「はい。私はメイド兼占い師でしてラクエラではとても恐れらてるんですよ」
「何でも人を殺したとか? 」
「ほほほ…… どうでしょう? 占ってみせましょうか? 」
「いえ結構です。どうせ映らないし。では改めて呼んでみましょう。
中継の松木さん! 松木さん? ダメだもうビール飲んじゃってるよ」
「仕方ねえな。でもサッカーでしょあの人? だったらここはやっぱり」
「どうするんですか。うわ私…… 興味あるな」
「まあ見ててください。こちらにも打つ手があるんですよ。
それでは中継のトノサキさん! トノサキさーん! 」
「ハイ中継のトノサキです。ユーティリティーなのでこの辺のこともお手のもの」
「今日はどのような試合が行われるんですか? 」
「はい。我がヘルド村のスペシャル対決が始まります。
どうぞお見逃しなく」
「上手く締めましたねボウ田さん」
「うーん。でもこれだと詳しい内容が分からない気が。
大体僕たちも何の試合かまだ明かされてなくて…… 」
「おっと…… ここで本日の対戦カードです。
ヘルド村オーンズ対山賊レジェンド。
どうやら開幕直前のプレシーズンマッチですね。
どうですかボウ田さん。注目の選手などいたらお願いします」
「ああごめん。寝てた。昨日も遅くまでやってたから眠くて。
注目選手? ああトノサキはそれは優秀だからきっとやってくれるよ」
「トノサキ選手? 残念ですが今回はリポーターに専念してもらいます」
「何で? 期待してたのに! 」
「それがですね。当時の山賊打線では完全なレギュラーではなかったんです」
「ああセカンド守るようになってから安定してたような気もする」
「ですので今回はベンチ兼リポーターをやって頂いてます。
ビアンカさんは誰に注目されてますか? 」
「ええ私ですか? 」
「決まってるだろうが! 」
「ちょっとこの人が絡んでくる」
「でしたら遠慮なさらずにその水晶玉でガツンとやっちゃってください」
「はーい。ってこれは大切な商売道具ですよ」
「そうだぜ。めったなこと言うなって。このお嬢さんは本気だぜ」
「もうお上手! 人は私たちのことは非情な裏切り暗殺者と呼ぶんですよ」
「いえいえそれだけ美しければ当然ですよ。ねえボウ田さん」
「こっちに振るなって! 危ないよこの人」
「大げさですねボウ田さんも。ではビアンカさん今の内に告知しておきますか?」
「何だよお前もか。見損なったぜ」
「ほらボウ田さん抑えて抑えて。ビアンカさんも気にせず告知を」
「大丈夫です。最後に時間をいっぱい使ってやりますのでお気遣いなく」
「いや待ってくれ! それは困る。どこよりも遠い順位予想するんだからさ」
「その辺はCMカットで対応しましょう。ねえー熊田さん」
「そうですね。では間もなくプレーボール―です。ちなみに実況は熊田です」
「解説はボウ田だぜ」
「ゲストはビアンカでーす」
「ではスターティングメンバ―の発表です。先攻の山賊打線から」
一番センター アッキー
「山賊打線のリードオフマンのアッキー。ボウ田さんはどのように見てますか?」
「そうだね…… アッキーが出るともう止められなくなりそうで。
毎年のように三割打って真面目なタイプかな。
始球式で暴れるタレントを睨みつけていたような記憶があるな。
そうだ。ビアンカちゃんは始球式やってみたい? 」
「ええ! 水晶玉より重いもの持ったことないんです…… 」
「まずいよこの人。嘘ばっかついてる。もしかして裏で何かしてる? 」
「もう! ボウ田さんってば最低! 私真面目なんですよ」
「まあまあ二人とも次に行きましょう」
二番ショート ダーゲン。
「ここは飛ばしましょうか? 」
「ははは! ゲンちゃんは人気回復したよね。いつも冷や飯食いだったのに。
最近の活躍は凄いよね。やっぱり強力打線だと光るよね」
「ダメですよボウ田さん。ここではゲンちゃんではなくダーゲンですからね」
「ああそうなの? ゲンちゃんの方が言い慣れてるんだけどな。
このゲンちゃんがテキサスヒットかヒットエンドランでチャンス拡大でしょう」
「よく見るとゲンちゃんってかわいい顔してますよね? 」
「ダメです。ダーゲンは守備範囲が物凄く広いんですから。近寄ってはいけない」
「へ―そうなんですか」
「そうそう。もう懲りてるって。大体山賊打線だよ」
「怖ーい! 」
「もうこの人喋らせちゃダメだって」
「そうもいきませんよボウ田さん。続けて…… 」
三番セカンド ネローワン改めアサムー
「本当に戻ってきたアサムー。いかがでしょうか? 」
「ノーコメントで」
「ええ? どうしたんですアサムーさんって」
「山賊打線の中心メンバー。チャンスに滅法強い。確かキャプテンだったけ?」
「そうです。彼なくして山賊打線は語れません」
四番ファーストどすこい
「ええ? お相撲さん? 」
「失礼なことを言ってはいけない! 彼こそがこの打線の核。
彼が打ったらもう止まらなくなる。相手投手はもう諦めるしかない。
それほど穴もありますが実力は今でも健在です」
「そうそう。穴にも入りたいってほど騒がれたっけ」
「もう! それくらいで」
「それでお相撲さん? 」
「違うって! どすこいってのは決めポーズでアグーは…… 」
「では次に参りましょう」
五番ライト栗さん
「選球眼いいんだよね。どうしたの? 」
「それは…… 今年限りなのでつい感傷的になってるんです」
「まあ仕方ないでしょう。今は代打かDH専門だもんね」
「栗さんって美味しんですか? 」
「うん。栗なら美味しんじゃない。でも渋いよ」
「お爺さんも悪くないかも…… 」
「それじゃ栗爺だって…… 」
「思い出は思い出で。では次に参りましょう。おっとその前にCMです」
続く




