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うーざーはラムネ瓶の中  作者: スカート保存委員会
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感動のフィナーレ!

シュワちゃんの正体は救世主メヒアだった。

「お前は…… 」

慌てた様子のデス・トラーデ。どうやらその正体に気づいたらしい。

「久しぶりだなデス・トラーデ。またこの道を通らせてもらうぞ」

遠慮がないメヒア。どうやらこの二人は何度か戦っているらしい。

「ふざけるな! 」

連続ツバ吐き攻撃を浴びせる。

「まったく成長しない。このメヒア様には通用しないと何度言えば分かる? 」

そう言うとよけることも逃げることもせずに向かっていく。

しかしよく見ると汚いのでこれは真似できない。

俺たちはただ見守るしかない。

余計なことをしてメヒアを困らせてはいけないからな。


「これでどうだ! 」

何とデス・トラーデは目から光線を放つ。

「見るな! お前たちは見てはダメだ! 」

この光線はデス・トラーデのとっておきらしい。

さすがのメヒアも焼かれる恐れがあるので逃げるよう。

俺たちはとにかく光線を長く見ないことを心掛ける。

まったくデス・トラーデの奴めとんでもない必殺技を持ってやがる。

さすがはウイニングロードの守り神。鉄壁だ。


助っ人の戦いは激しさを増すばかり。これは見物で大盛り上がり。

しかしどうも仲間たちの元気がない。

「どうしたダーゲン? 」

何だか様子がおかしい。らしくなく大人しいダーゲン。

「それが自信を失っちゃってさ…… だって奴ら強いしよ」

「ああ化け物で実際恐怖の対象でしかない」

トノサキが震える。

「落ち着けって二人とも。当たり前だろう?

奴らは我々の遥か上を行く存在。五年や十年では追いつくはずない」

冷静なネコ王子の分析。

「でもさ俺なんか…… ヘルド村でも存在感がないんだ。

冷や飯を食ってるしよ。それに世界で戦うのも限界がある。

はっきり言ってレベルが違い過ぎる。俺はもう諦めたい」

「何を言ってるんだダーゲン! 」

「いいんだうーざー。自分のことは自分が一番よく分かってるさ」

「そうだよな。もう僕たちの時代じゃない」


どうやら諦めモードに入ったトノゲンコンビ。

これでは間もなく始まる本番にまで影響が出かねない。

自信喪失して体力の限界を感じたダーゲンは引退さえ視野に入れたよう。

しかしダーゲンはよくやってる。奴以上の人材はすぐには見つからないだろう。

それはスーパーユーティリティのトノサキも同じこと。


「おいおいつまらないこと考えてないで試合に集中しろ! 」

王子とは言えネコに言われるから情けない。

「ネコ…… お前だってそうだろう? もはや俺たちはお邪魔虫さ」

ネガティブになってる二人。特にダーゲンが疲れからか酷い。

今はただ目の前の素晴らしい戦いを見てればいい。

このピッチクロックが飛び交うウイニングロードと言う名のグラウンドで。


デス・トラーデの睨み光線はさすがのメヒアも当たれば無傷では済まない。

しかし睨む時にどうしても殺気を帯びるので簡単に避けられる。

「おいダーゲン。落ち込んでないで解説してくれよ」

「馬鹿野郎! 俺はプレイヤーであって解説者じゃない! 」

どうやらダーゲンのプライドが邪魔をしてるよう。


「ダーゲンだって引退したらその内…… 」

「だから引退じゃないって! 後進に譲るんだって! 」

どこが違うのか? イマイチ分かりにくい。

「いいから二人とも大人しく見てろって! 」

ネコ王子が間に入る。

「だけどうーざーが」

どうもダーゲンは引退発言を撤回したいらしい。


「いいかよく聞け! 俺はただヘルド村に戻って貢献しようと言ってるんだよ」

「はいはい。いいからそっち危ないって! 」

ダーゲンは言い訳ばかりして集中してない。やはり反応も鈍くなってる。

「だからお前ら静かにしてろって! 」

ネコ王子から注意を受ける。


デス・トラーデの攻撃は続きメヒアは避けるのみで返せない。

これではいつまでも続くことになる。

「よし勝負! 」

どうやら正々堂々と剣で戦うらしい。

デス・トラーデはブルーライトを纏った剣を左手に掲げる。

「受けて立つ! 」

メヒアは剣が見えないがどうやら剣を右手に掲げているよう。

まさかのエアー? いやただ見えないだけか。


「はっはは! どうした? 掛かってこい! 」

デス・トラーデが挑発。

しかしメヒアは何かを待っているように微動だにせず。

このままでは時間ばかりが過ぎて行く。

「いいのか? お前がこの世界いられるのは十分もないだろう? 」

もう間もなくその十分を迎えようとしている。

時計を見せわざわざ一分を切ってることを示す。

そう完璧に思われたメヒアにも弱点はあった。時の流れには敵わない。


「ほらもう三十秒を切ったぞ」

構えているので隙は無い。ここから急いでも一発避けられたらお終い。

要するに助っ人の一発勝負で決することになる。

そしてついに十秒を切る。カウントダウンを開始する余裕のデス・トラーデ。

「ほら掛かって来い! エイト・セブン…… 」

そう言ってわざと隙を見せ余裕をこく。もう勝利を確信しているらしい。


「勝負! 」

「ははは! もう遅いと言ってるだろう? 」

「行け! 」

カウントファイブのところで勢いをつけ透明な剣を投げつけるメヒア。


「何…… 嘘だろう? 」

メヒアの剣はデス・トラーデの腹へ。

シュワシュワに輝くと爆発して跡形もなく姿を消す。

こうして救世主メヒアの活躍でウイニングロードの守り神を倒した。


ついに新たな道が開く。

迷わずに前進するとすぐに行き止まり。

ただそこにはラムネ瓶が置いてあった。

一本のラムネ瓶。そう俺があの日に唆されて開けたラムネ瓶。

空のラムネ瓶を見て思い出すことはあの野郎。俺を嵌めて自分は助かった。

しかし記憶は薄れていく始末。さっきまでほとんど思い出せてなかった。

今はその記憶も戻った。


「どうしたんだよ皆? 」

ダーゲンもトノサキもネコも近寄らない。

ウイニングロードを終え現世に戻ると言うのに。そうか彼らはあちらに住人か。


「悪いな一緒に行ってやれなくて。しかし俺たちはここに留まるよ」

「ダーゲン…… 」

「そうだね。シュワシュワ王国でのんびりしてるよ」

「トノサキ…… 」

「そう言ってヘルド村でただ過ごすだけじゃねえか! 」

トノサキにすぐに軽口を叩くダーゲン。いいコンビだ。


「だったらネコ王子は? 」

「悪いね。もう私は立派なヘルド村の住人で山賊の一人だと思ってる」

何と帰り道を探っていたであろうネコ王子も留まる決断をした。

どうやら一人寂しく戻ることに。それはさすがに心細いが仕方ない。

俺たちは違う世界の住人。最初から棲む世界が違うのさ。


「悪いなうーざー。そう言うことだから見送りもここまでだ。元気でな」

「ダーゲンも元気で! 」


「いつかまた来るようなことがあったら歓迎するよ。

その時はきっと僕が村長になってるさ」

どうやらトノサキはユーティリティーを活用して長老の座を狙っていたらしい。

「ああトノサキには感謝してるよ」


「あまり羽目を外さないようにな。こっちもダーゲンを注意して見てるからな」

「ネコ王子。ありがとう」

「ニャー」

どうやら元のネコに戻ったらしい。役割を果たしたのだろう。


「行ってこい夜のポエマー! 」

こうして三人の仲間に見守れながらラムネの瓶のふたを開ける。


スポン! といい音を立てて大量のラムネの泡が溢れ出し視界を奪う。

危険も考えて目を閉じる。これが防衛本能。

それから一分して目を開けると完全に泡は消えて元の世界へ戻っていた。


こうしてうーざーはラムネ瓶から脱出したのだった。


では最後に喜びのポエムを。


♪イエーイ! バックホーム! ランナー! キャッチャー!

 ギリギリ! ギリギリセーフ アウト?  クロスプレー!

 チェンジ? チャレンジ?  セーフ?  ゲームセット!


こうして喜びを爆発させ夜の街に消えていくのだった。

夜のポエマー完全復活!


             本編<完>

次回最終回特別編。

また来週!

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