伝説の占い師ビアンカ
激戦地ラクエラ。
ツー爺の紹介で伝説の占い師ビアンカの元へ。
パン屋にてビアンカの行方を知るマリーを探る。
マリーと言うくらいだから素敵な女性だろう。俺のタイプだといいんだが。
あれ? ちょっとだけ昔のことを思い出した気がする。
確か刹那に生きる勝手気ままな風来の夜のポエマーだったっけ?
マリーを探すがパン屋をいくら見回してもどこにもそれらしき女性はいない。
いや多すぎて特定できないが正しい?
さあこう言う時はどうするか? 手当たり次第聞いて行くしかないよな。
「そこのお姉さん暇? どうだい一緒に」
ダーゲンとトノサキが何を狂ったか追いかけ回す。
確かにきれいな人が多い。だからって目的忘れて誘いをかけてどうする?
特にダーゲンはまったく懲りてないと見える。
「うるさいよあんたら! 私を舐めてるのかい? 」
まずい。トラブル発生。面倒臭そうな女に絡まれる。
「ああ何だお客さんかい? だったら連れて行ってやるよ」
どうやらマリーはこの面倒臭そうな女のことらしい。
本名をマリオネッタと言ってビアンカと現在二人暮らしだそう。
「案内してやるから着いて来な! 」
マリーが地下の隠れ家まで案内してくれた。
「何だお前ら? 」
人相の悪い冷酷非道の白髭爺が睨みつける。
まずい。怯んでは負ける。
ここは勢いをつける意味でも真夜中のポエマー全開だ。
♪イエーイ! スマイルスマイルノースマイル
ジジイクルナチカヅクナエガオヲワスレルナ
イッツクレイジージジイサイコーデサイコーデース
デスデスクレイジーエスケープププドロップ
「男はいらん! 用がないなら出て行け! 」
夜のポエマー不発。
失礼な爺に堪らずネコが飛びかかる。
「何をするこら! まったく不愉快だ! 」
こうして立ちはだかった爺を撃退し占いの館へ。
「しかしあの爺さん怖かったな」
「そうか? 栗さんの方が俺は怖い気がするぜ」
震えるトノサキに強がるダーゲン。結局のところネコに助けられる始末。
本当に情けない。いくらネコ王子でも頼り過ぎだろう。まったく良いところなし。
「そう言えばダーゲンはドラゴン退治したの? 」
「まあな。皆の力を合わせれば楽勝だ。お前も来ればいいのに? 」
「本当? でも選ばれてないし…… 」
そんな風に二人のつまらない話を聞いてるといつの間にか占いの館に到着。
「いらっしゃい。どうされましたか? 」
元メイドでどこかの令嬢との噂も。王子と浮名を流した等明らかに盛られた経歴。
暗殺者も兼任していたと言うどうも胡散臭い占い師の女性。
「あなたがビアンカさん? 」
「いかにも。それで何の用でしょう? 」
いつの間にか案内役のマリーが姿を消していた。
「それが…… 」
どう言えばいいのか迷ってるとダーゲンが邪魔をする。
「ねえお姉さんはいくつ? 」
「ひひひ…… 百二十才さ! 長生きはするもんだね」
見た目は随分若そうに見えたがどうやら婆だったらしい。
「ひええ! お助け! 」
常に軽いダーゲンは混乱のあまり逃げ惑う。
「ごめんごめん。冗談ですよ。年齢は非公開だから我慢してね」
占い師の悪ふざけに騙されるダーゲン。気分はよくない。
悪ふざけはここまで。さっそく占ってもらうことに。
「この水晶玉をよく見るといい」
そう言って青光りのする水晶玉を手で回す。
何度か繰り返すことでようやく朧げにだが人の影が映る。
ただぼんやりしていてまったく実体が掴めない。
「ほらこれがあなたの結婚相手」
そう言うともっと近づくように指示する。
「これはまさか…… 」
よく見れば先ほど案内してくれたマリーの姿。
水晶玉に映し出されたマリーが突然踊り出す。
クネクネと随分とおかしな踊り。
衣装の派手さと相まって迫力のある踊りを披露。
確かにセクシーで見ごたえはあるけどだからってマリーが俺の結婚相手?
「待ってくれ! 俺たちは結婚相手を占ってもらいに来たんじゃない! 」
ダーゲンはこの手のことになると焦って話題を変えようとする。
らしくない。まさかあの見た目でもう既婚者? いやそれはないか。
ヘルド村には奥さんらしき人は見当たらなかった。
おっと…… 今はダーゲンのことはいい。とにかく帰り方を教えてもらわないと。
「分かりました。では一分ほど息を止めて下さい」
占い師のビアンカを信じどうにか息を止める。
「はいもう結構」
「ハアハア…… これで何が? 」
ビアンカを信じ素直に従ったがこれで何が分かる?
うん? 思い出したぞ! 俺は酔っぱらってラムネ瓶に吸い込まれたんだった。
確か騙した奴が金貨一枚か銀貨五枚集めれば元の世界に戻れると言ってたな。
または救世主が現れれば帰れると。
「ふふふ…… どうやら思い出したようですね? 」
「はい! ありがとうございます! 」
これは思いがけないこと。
ツー爺の紹介だからかなり胡散臭いと思っていたけど間違ってなかった。
思い切って信じてよかった。後はどうにか戻る方法を見つけないとな。
とりあえず金貨はないので銀貨。だが五枚も持ってない。
「では一枚」
何と協力してくると。銀貨一枚恵んでくれるそう。これはありがたい。
「助かるよ」
「待って! 銀貨一枚になります」
銀貨一枚が占い代に消えた。
これで合計三枚。あと一枚だったのもったいない。余計な出費。
「よし! 特別にその銀貨三枚寄越したら帰り道を教えてあげるよ」
どうも胡散臭いが一度成功してるのでもちろん疑わない。
全財産の銀貨を預け残るはピッチクロックのみ。それも僅かだからな。
極貧生活に突入する前に何としても元の世界に戻らなければならない。
交渉成立。
こうして元の世界への帰り方を教わる。
「まずトレインで下りの終点まで。そこから三十分歩き森を抜けると見えてくる」
どうやら本当っぽい。あまりにも具体的だから信じてしまう。
「何が見えると? 」
「道さ。ウイニングロードが見えるはず」
何とウイニングロードと具合的な名前が出て来た。
これは信じられそうだ。
「急ぎな! このままだとこの世界に閉じ込められるよ! 」
脅しを掛けられ急かされるように占いの館を後にする。
こうして言われた通り終点から歩いた森を抜けウイニングロードへ。
「よし行くぞ! 」
「うおおお! 」
これで元の世界に戻れそうだ。
続く
また来週!




