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ゼグラーン戦記  作者: 椿
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最大警戒体制

「状況は!?」


司令部についた俺たちはお急ぎで状況の確認にあたった。


すでに戦闘が始まったとされる王国帝国の国境線とは裏腹にこちら側はまだ静かだった。


やはり王国は帝国を倒すまでは、不可侵条約を遵守してくれるのか?という疑問が俺の頭にあった。


「はい、現在帝国軍が王国領内に侵入し、近接戦を主戦とした戦闘が発生しています」

「おおよその数は分かっているのか?」

「はい、偵察隊の情報では、帝国軍4万に対し王国軍が5万と推定されます」

「今の帝国軍が有利になれる条件があるのか?戦闘は防衛線の方が圧倒的に有利で、この状況は誰がどう見ても帝国が不利だろ」


俺がそう言いながら水晶から映し出される偵察隊の映像を見ると後方から声が響いた。


「あるんだなぁそれが」


振り返ると視界に入ったのは、シュウキだった。


「シュウキ、他のみんなは?」

「すでに北部の防衛線でピリピリしながら警戒にあたってる」


そういったシュウキは椅子に腰掛け、机に肘をついた。


「帝国が有利になる条件ってなんだ?」


すぐにそれを聞くと、シュウキは語り出した。


「忘れたのか?エルフはドラグーンを使役できるんだぞ?」


そう言われた瞬間にエルフの街の上空で行った、航空戦を思い出した。


「そうだった。エルフはドラグーンを戦争で使用できるのか」

「そうだ、たとえ条約があろうとなかろうと、戦争になればそんなもの消える。制空権握った方の勝ちやろ」


視線を映像に向け、戦っている両国の様子を見る。


遠目からの様子だが、森が焼け、黒い煙が炎に照らされてよく見える。


その光景に息を飲みながら見ている俺は、後ろからくる足音に気付いていなかった。


「皆揃ったな、今後の俺たちの行動を説明する」


多くの将校とユウヤが現れ、自分の体と同じくらいの大きさの紙をテーブルに置き、素早く広げた。


「ハルトは後方からの補給隊と召喚師たちの指揮を頼む、シュウキは俺と一緒に第一防衛線まで来てくれ」

「タケヒロは?」

「あいつには別の命令を出している。情報秘匿のために今は説明できない」


そう言って広げた地図には殴り書きで書いたのだろう、いろいろな情報がびっしりと書かれていた。


「いいか、まず第一防衛線に兵を集中させ、警戒レベルを最大まで上げる、これから一週間はこの体制を変えるつもりはない」

「そしてハルト、お前にはこの第一線にいる兵たちへの食料、装備、消耗品の運搬を命令する」

「わかった」

「残りの将校は第二線まで移動し、各部持ち場につけ!」

「了解!」


一斉に人が動き、ほとんどの兵士が数百ともあろうドラグーンや馬車に乗って第一戦線に向けて移動していった。


「ツバキさん」

「は」


足を揃え、俺に鋭い眼差しを向ける彼女に命令を下した。


「全補給部隊に命令する。全ての輸送馬車及び輸送召喚獣を利用して、全戦線に物資を運搬する。各隊員は物資の積み込みから開始せよ。と」

「了解いたしました。」


そう互いに敬礼した後、すぐに走り出したツバキさんは通信魔術で全ての隊員を動かした。

歴史上、敗れた軍隊とは補給を重視せずに、中途半端な作戦計画の実行により、餓死者を多く出したことで、貴重な人的資源を減らしてきた。戦闘において優先されるべき項目は何かを最高指揮官たちはより深く、理解しなければならない。

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