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ゼグラーン戦記  作者: 椿
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再臨

内務方針会議が終了したあと、外務大臣のカスミから長距離魔術通信が入った。


「帝国に何か動きがあったのか?」

『はい、帝国は戦争の準備を進めています。それも王国との戦争である可能性が高いです』

「なっ……」


俺は言葉を失った、ようやく終わったと思った戦いがまた始まるのだ。驚き、硬直が少し続いたが、同じ部屋にいたツバキさんに、左手で俺の元まで来るよう指示した。


その合図に、真剣な表情で俺の元まできたツバキさんに『ユウヤたちに報告を、王国と帝国が衝突の可能性』と書いた紙を渡した。


驚いたツバキさんだが、すぐに俺に敬礼をし、急いで部屋を出て行った。


「カスミ、戦争になれば、君も危ない。すぐに本国へ帰還して欲しい」

『了解、5時間後に出発します、それでは」


通信が切れた時、ツバキさんは司令部に報告を終えていた。


「まじか…こんな早く、また戦争になるとは…」


司令部の休憩所にいた、ユウヤとシュウキは表情を固くし、手に持っていたカップをテーブルに置いた。


「シュウキ、今現在、俺たちに攻撃能力はない。けど、帝国が負ければ、王国は不可侵条約を破ってくる可能性がある」

「絶対破ってくるやろな」

「その時のために街全体を囲んでいる城壁を、さらに強化したい、でも今はどこも人手不足や、手伝ってくれるか?」

「うん、他に手空いてる奴いたら誘っとくわ」

「ありがとう」


余計なことに首を突っ込みたくはないゼグラーンだが、帝国は重要な後ろ盾だ。ここで帝国を失うわけにはいかない。


できることだけをやろうと、ユウヤは誓った。


4人全員が揃った部屋で、夕食を一緒に食べながら、話が始まった。


「で、俺らはどうするんやユウヤ」


タケヒロがメインのステーキを切りながら、ゆうやにそう聞く。


「戦争になれば、俺たちは何もできない可能性が高い。だが、帝国に参戦を要請されれば断ることは難しいだろう」

ユウヤは自信なさげにそう答えると、フォークとナイフと一旦置いてそう言った。


「その場合、次は本気の王国と戦争することになる。城壁は強化してるけど、どこまで耐えれるか」


シュウキも急ピッチで城壁と防衛線の強化を急いでいる。俺も装備品の充足率を100%にするまで、必死に動いている。


それと、魔術術式を用いた、装甲車と戦車の開発も始まった。だが、この限られた人口では、一両作るのに5日もかかってしまう。戦争が始まるまでに一個師団は作れるようにしたい。


夕食を口に含みながらその話を聞いていると、部屋にツバキさんが入ってきた。


俺の耳元に近づき、小声で囁いた。


「開発中の装甲車と戦車に動力炉の起動反応が見れません。後ほど第二ゼグラーン工場までお越しください」

「わかった」


コクっと俺が頷いた後にツバキさんは部屋を出た。


「何かあったのか?」


ユウヤが俺にそう聞く。


「新装備の開発に少し手間取ってて、次の戦闘までに準備できるかわからない」

「そうか、陸上戦闘に特化した兵器は早期に手に入れて置きたい、できるだけ急いでくれ」

「ああ、わかってる」


食事が終わった後、3人は自分の部署へ行き、俺も工場に向かった。

もう日は落ち、暗く寒い夜だった。


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