表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゼグラーン戦記  作者: 椿
25/40

防衛戦

「いいか、街と市民の防衛こそ最優先だ、だが、俺とシュウキの部隊は攻撃に参加してもらう。もちろん俺たちもだ」


ユウヤが従者にそう告げると多くの兵士が正門まで集まり、味方の魔術榴弾砲の音が轟く中、作戦が簡潔に説明された。


「北を俺の部隊、東をシュウキの部隊、西にタケヒロの部隊がそれぞれ敵の侵攻を止める。その間ハルトの召喚師部隊の召喚獣と共に敵を各個撃破していく!それぞれ持ち場に走れ!」


ユウヤがそう言って手を叩くと、その場に人間は全力で持ち場へ走っていった。


「頼むぞ、ハルト。お前の召喚獣達は1対複数の状況でとても強い」

「わかった!」


俺も焦り気味だったが、すぐに召喚師部隊に通信を入れた。


「アキト、聞こえるか?」

『はい!中将!』

「他の召喚師に伝えてくれ、出来るだけ量産可能な召喚獣を場に出して、北東西の方角で戦っている味方部隊を護衛してくれ」

『了解!』


こんな忙しいときに戦闘が起こるなんて全くの予想外だった。見たところ、敵に航空戦力はなく、歩兵を中心として部隊だとすぐにわかった。

後方での支援が得意な俺の部隊はほとんど前線に行かない。どうかみんな無事でいてくれ、そう願うことしか今の俺にはできなかった。


北側の森に部隊を展開するユウヤはすでに接敵していた。だが、敵はすでに消耗している様子に、ユウヤは気づいていた。


「ハルトのゴーレムか」


それは召喚獣の一つのゴーレムだった。40mはあるあろう巨体が敵の歩兵を踏み潰したり、殴りかかっていたりした。

当然、それほどの質量の一撃は、地面を破壊し、敵の兵士を粉砕していた。その光景を目に入れてしまったユウヤは見なかったことにしながら呟いた。


「攻めてくる、お前らが悪い」


と、ゴーレムの足元から、一つ影が走ってきた。

即座に体が反応したユウヤは、味方の襟を引っ張り後ろに下げた。


「参謀長!?」


それに驚いたリンだったが、すぐにワケを理解した。その影はユウヤと近接戦に入っていた。


「ほう、よく見えたな」


余裕げな顔でそう言ってくるのは男だ、若い、ユウヤと同い年くらいの男性だ。ユウヤの槍とは違い、西洋剣のような武器で剣を混じり合わせていた。


「………………」


ユウヤは無言を保ったまま、槍を持っていない方の手から、似たような槍を魔法陣から取り出し、その男に突いた。しかし、槍は当たらなかった、速いというか、槍が自ら避けたような感覚だった。


「!?」


ユウヤはそれに動揺し、敵に隙を生んでしまった。

気づいたときには、目の前に剣が振り上げられていた。

敗北を悟った瞬間、ゴーレムの腕が男の背後から恐ろしいほどの速さで向かってきていた。


「なにっ!」


それをほんのわずかにかすめた程度で、避けたが、ユウヤにとどめを刺すには届かなかった。

そのまま振り下ろされたゴーレムの腕は、スピードを落とし、ユウヤを掴み、自らの肩に乗せた。


「おお、ありがとう」


生きていることにホッとしているのはほんの一瞬だった。ゴーレムの高さから森を見ると、そこは一面火の海だった。虫が焼け落ち、動物が死んでいるであろう森の状況に、ユウヤは言葉を失った。

だが、それを実行したのは敵ではなく、見覚えのあるドラグーンだった。


「タケヒロか!?」


少し遠い西の方で大量のドラグーンが地面に向かって爆薬を落としているのが見えた。

その光景に自分たちが殺し合いをしていると改めてユウヤは思い知った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ