歪む空
「ん………」
朝だ、まだ眠たいが、体を起こして作業を開始しなければならない
「よいしょ…」
テントから出ると、すでに従者たちが作業を開始していた
「嘘やろ、起きるの早すぎやろみんな」
ツバキ「あ、同志中将、おはようございます!昨日はよく休めましたか?」
「あぁ、ツバキさんたちのおかげでゆっくり休めたよ、まぁ今からまた疲れるけどw」
冗談まじりにツバキさんと会話したあと、すぐさま作業に戻ろうとした
その時だった
ドラグーンと共にタケヒロが現れた
「タケヒロ?なんや急に」
タケヒロ「とりあえず基地に戻ってこい話はその時する」
?
「いや、俺作業があるんだけど…」
タケヒロが焦った表情で強く言った
タ「そんなことは全て後や!!今すぐ全員で戻ってきてくれ!」
「何をそんなに焦ってんねん」
と言ったがそのあとの言葉で全てを理解する
タケヒロ「戦争になるかもしれんねん!!!!!いいから黙って来い!!!」
!!!!??????
そう聞いた瞬間その場にいた全員が状況を理解し、すぐさま作業を中断し、馬車に乗り込み、大急ぎで基地に戻った
基地の上空に巨大な映像が出ているのを、肉眼で確認できた
「すまん、遅れた」
そう言って皆が見ている映像を目を凝らしながらみた
『繰り返す!!我らオリガステル王国は14月条約を破ったしたティダロフェル帝国に対し、武力による制圧をここに決定した!!』
なんだこれ、現実なのか?
『もし無条件による降伏を受諾するならば、軍による侵攻はしない、だが抵抗するのであれば我が王国最強の十天創元を貴殿の国に向けることになる』
『3日待とう、賢い選択をすることを願っている、以上だ』
その言葉を最後に、映像は消えていった
だが基地の連中は冷静だった
「帝国に対しての話であって、俺たちゼグラーンは関係ないよな?」
「そうよ、エルフたちが勝手に条約っていうのを破っただけなんでしょ?」
ザワザワと基地のみんなが騒ぎ始めたときだった
基地に向かってくる騎馬隊があった
「なんだあれ?帝国の軍隊なんじゃ?」
市民のほとんどがその騎馬隊に視線が向いた
すると騎馬隊から一人のエルフが降りてきて、俺たちに近づいてきた
ユウヤ「帝国軍の方ですか」
シェルフ「そうだ、帝国軍騎士大尉シェルフ・ラードリッヒだ。ユウヤ第一書記長と話したい。」
ユウヤ「私がユウヤです」
シェルフ「これはご無礼を、時間がないので礼儀は省かせていただきます、よろしいですね?」
ユウヤ「構いません」
コクっと首を縦に振りながらシェルフにそう言った
シェルフ「今回の件ですが我々は一度も条約を破ったこともなく、この問題の原因はあなたたちだと思います。」
そう言ってタケヒロの方を見てこう言った
シェルフ「あなたですね、ドラグーンを使って魔獣を駆逐したというのは」
その言葉で場の緊張感が上がった
タケヒロ「そうだ、それが何か」
シェルフ「なんと愚かな…」
シェルフが頭を押さえながら下を向いた
シェルフ「14月条約という条約には戦争でのドラグーンの使用を一切禁止するという項目があります」
タケヒロ「…なるほど、それは申し訳ない」
シェルフ「ですので、その件について、王国軍に直接交渉願いたいのです」
心臓の鼓動が大きくなってゆく、それは初めて何かをするときや、人前で何かを披露するときの緊張感と似たようんものだった
足が地面についていないような感覚が、数秒続いた
タケヒロ「俺が行くわ、ドラグーンの原因は俺にある」
そう言ったタケヒロの肩に手を置いてユウヤが真剣な表情で言った
ユウヤ「俺にも責任がある、俺も行こう」
そう言った後俺とシュウキの方を向いてこう話した
ユ「俺たちが留守の間、ゼグラーンを頼む」
シ「わかった、気をつけて」
「気をつけて…」
この言葉しか出なかった、友人とはいえ殺されるかもしれない場所に向かうのにこの時は大した言葉が頭に浮かばなかった
それを聞いた二人はニコっと笑い、召喚獣に乗って王国軍がいる国境付近に向かった
今の俺には、それを見送ることしかできなかった
自分の無力さに、青い空がその時は歪んで見えた




