魔獣討伐
神聖ティダロフェル帝国との平和条約締結により、ゼグラーンの安全が保障された
ただし、都市ゼメシエル内への出入りは特別な許可が必要で、他の都市も同様だそうだ。未だ完全に信用されたというわけではないらしい
俺たちがいるこの森も彼ら帝国からすると神聖な森のようなので、行動を控えてほしいと言われた
だが互いの安全保障確立により、戦闘が無くなったことを心から喜びたい
ユウヤ「というわけでこの森での戦闘行為は一切禁止ということになった、なかなか厳しい条件や」
ユウヤが眉をひそめながら、司令室にいる皆に言っていた
「基地を移すことを提案するわ」
ユ「うん…それは考えたけど、10万人を超える基地の同志たちを一斉に移動するのはなかなか困難やぞ」
続けるようにユウヤが話す
ユ「しかもこれほどの基地をまた作るとなると、とてつもない労力になる」
シュウキ「それだけじゃないで、ここはティダロフェル帝国という国家の領土内やからどこにいても行動は制限されるやろうし」
タケヒロ「そのことに関してなんやが」
待っていたかのようなタイミングでタケヒロが口を開けた
タケヒロ「この帝国には魔獣が住み着いてる立ち入り禁止の区域が数カ所あるんやけど、その地域の魔獣共を抹殺してくれるなら、その土地を俺らにくれるって皇帝陛下が許可してくれたらしい」
シ「ほんとかよ…」
俺たちを魔獣狩りに利用しているのはまず間違いないが、自国の領土を得れるチャンスでもあった
ユ「それは賭けてでも戦いに行くべきやと俺は思う、どのみちこんな森にいても何もできないし。賛成の者は挙手してくれ」
司令室にいる者たち全員が手を挙げた
ユ「決まりやね、まずは魔獣狩りから開始や」
「了解!」
全員が同時に敬礼をし、魔獣狩りが決定した
タケヒロがティダロフェルから得た世界地図を指令室のテーブルに広げ、作戦会議が始まった
タ「まず俺のドラグーンでこのマルティの森に絨毯爆撃をかける」
シ「次に俺と俺の強襲部隊で残りの魔獣を地上から一掃する」
シ「その時に後方にハルトの魔術師部隊を回復役として置いてくれれば助かる。」
「了解した、準備しておこう」
あっとういう間に作戦が立案され、後30分で作戦開始ということになった
カスミ「中将、術式スクロールのストックが完了いたしました」
「ありがとう、何が起きるかわからん戦闘やから回復薬、状態異常治癒薬を絶対い忘れないよう他の隊のやつらにも伝えておいてくれ」
カ「了解」
ティダロフェル帝国にはすでにユウヤが報告してくれていて、後は作戦開始までにマルティの森一歩手前まで行くだけや
装甲馬車8台に隊員を乗せ、森に向けて出発した
「あれがマルティの森か…」
俺たちの基地があったセフィラスの森より遥かに大きく、森が俺たちを見ているような感覚だった
ピピ
タケヒロ「ハルト、シュウキ作戦開始5分前だ。準備はいいな?」
「問題ない」
シュウキ「こちらも問題ない」
ピピ
タケヒロのドラグーンが上空にいるのがわかる
その巨体と目を疑うほどの数のヴァデッサルドラグーンが空を覆い尽くしている
タケヒロ「絨毯爆撃を開始する」
タケヒロが合図を出すと前列のドラグーンから順に大量の火炎爆式弾が投下された
それはもはや戦闘とは言えないほどの破壊力だった
マルティの森を灼熱の業火が埋め尽くす、そこにいる全ての生物を殺しているのだ
シ「改めてみると恐ろしいな」
「その通りや」
通常、火炎爆式弾はプレイヤー一人で持てる数は1つというくらい大きいもので、ほとんどは閉ざされた通路の瓦礫を破壊したりするために使うが
タケヒロはこれをドラグーンに積んで空から投下するという戦術を初めて見つけたプレイヤーで当初からNPCとの戦闘に使われることが多かったが、ここまでの数のドラグーンで放つ炎の悪夢は相手からすれば地獄以外の何物でもないだろう
ようやく長い絨毯爆撃が終破ろうとしていた時、シュウキが準備に入った
シ「それじゃあ俺も行ってくるわ」
「気をつけて、いつでも支援できることを忘れんなよ」
シ「了解!頼りにしてるで!」
そう言って十数名の部隊と共に森へ走っていった
だがシュウキから支援を呼ぶ声は来なかった
「負傷者はいたか?」
シ「いや、もうほとんど死骸だった。タケヒロの恐ろしさを感じるわ」
ピピ
タケヒロ「シュウキ、敵は殲滅できたのか?」
上空にいるタケヒロから通信が入る
シ「いや、もうほとんど爆撃で死んでたよ」
俺もそんな予感はしていた
もはや森はその跡形を残すことなく消滅していた
タケヒロが敵じゃなかったのが本当に良かったと
俺とシュウキは感じていた
シ「よし、帰るか。ゼグラーンに」
こうして魔獣討伐の件は無事、死者0人負傷者0人で終わった
そんな会話をしている俺たちを遠くから見ていた者がいた
???「なんて力だ…恐ろしい、王国戦士団にすぐにでも知らせなければ…」
???「エルフたちが新兵器をすでに開発している、これは大変なことだ!」
馬車に仲間を乗せ、基地に戻る俺たちは。この時
自分たちが俯瞰してものを見れていなかった戦略のミスに悔いることになる
航空戦力は偉大




