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幼女、冒険者ギルドへ

実にいい。

長閑な雰囲気の町だ。

森のなかにいた時はどうしようと思ったが。

安全な場所に来れて良かった。

幼女にあの仕打ちは酷いよ、まったく。

たぶん神(仮)は変態のドSに違いない。


町の入り口辺りに門番?衛兵?みたいな人がいた。

けれど、おじさんは顔パスだった。


「ぷっ」


「どうした?」


「な、何でも、な、いよ」


「そうか?」


やばい。

変な想像しちゃった。

おっさんが改札機に顔を押し付けている光景。


緩い警備体制だけど大丈夫なのか。

それだけこのおじさんが有名ってことなのか。

それとも、平和ボケしているのか。

後者だと嫌だな。

幼女には安全な環境が必須なのだ。

もう、あんな森には行きたくない。


「そろそろ、冒険者ギルドに着くぞ」


「おおー」


冒険者ギルド。

そこは夢と希望、そして欲望と絶望が渦巻く・・・

ってあれ?

幼女が行くと危なくね?

テンプレだと子どもが登録に行くと

絡まれて、馬鹿にされるイベントの開催地。


「入って大丈夫?」


「うん?突然どうした?

ああ!別に冒険者ギルドは危ないとこじゃないぜ」


「へっ?そうなの?」


「ああ、言ったろ?人助けみたいなもんだって。

取り敢えず入るぞ」


まあ、そこまで言うなら。




「はっ!」


て、天使や〜。

天使はいたんや〜。

おっと、エセ関西弁が出てしまうとは、不覚。

透き通るような銀髪。

綺麗な蒼い瞳。

やや浅黒い感じの肌。

この距離からでも判る。

幼女にも負けず劣らない潤いだ。

恐らくはまだ10代前半。


そんな少女、いや美少女が。

受付にいた。

そして、今。


目があった!


これはロマンスが始まるのか?

春が来ちゃうの――


失念してた。

俺、幼女だった。


まあ、でも、ほら。

友達になったら良いんだ。

うん、まずはそこから始めよう。

とくれば。

無難に挨拶から。


「こんにちは!」


「こんにちは」


「わたし冒険者になる」


「う〜んゴメンね。冒険者には15歳ならないとなれないんだ」


「そうなの?じゃあ待つ」


失敗したー!

俺幼女なんじゃん。

すぐ忘れすぎだろ!


「この子どうしたんですか?」


「森で迷子になっててな。危ねぇから連れて来たんだが。

ギルドの方で保護してやれるか?」


「そうですねー。ギルド長に聞いてみます」


お?

なに?俺保護されるの?

出来ればこの娘に保護されたいなー。


「どうしたのかね?」


「あっ、ギルド長。この子を保護してほしいそうなんです」


唐突に登場した爺さん。

ギルド長らしい。

白くて長いヒゲだし。

なんか、仙人って感じだな。


「ふむ、と言ってもここには泊めてやれんしのう。

君の家で世話してあげてはどうじゃ?」


・・・・・・。

・・・?!

え?

お爺様?

今、今なんとおっしゃいました?


「はい。分かりました。ではそうします。

良いかな?」


良いかなだって?

良いに決まってるじゃないですかー!


「うん!」


これはハードモードから一気にハッピーライフ。

おっさんがキューピット。


ぷぷっ。

ヤバイ。また想像しちまった。

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