幼女と第一村人
誰か来たようだ。
すかさずウサギのスプラッタ〜野原の野草を添えて〜を片付ける。
おもちゃ箱の中身がこれって・・・
我ながら恐ろしい幼女だな。
「おわ!こんな森の中に子ども?!」
「こんちはー」
おっさんだ。
多分良い人だろう。
根拠は勘だ。
「お、おお。こんにちは。こんなところでどうした?迷子か?」
えっと。どうしようか。
「う〜ん?わかんない?」
「そうか。誰かと一緒じゃないのか?」
「違う。一人」
「名前、なんて言うんだ?」
「ようじょ」
「えーと、そうじゃなくてな、名前。分かるか?」
「ようじょ!」
「そうか。うーむ。
じゃあ、どこから来たんだ?」
「わかんない!」
ごめんない。
嘘です。
本当は日本から来ました。
異世界です。
ポ~ン
―――――――
スキルを獲得しました・・・
スキル
幼女の秘め事
幼女にだって誰にも言えない、秘密がある。
―――――――
隠蔽もしくは詐術系のスキルかな?
試してみるか?
おっとその前に。
おっさんのステータスはっと。
鑑定系は持ってない、か。
「分からないか〜。取り敢えず町まで連れてくか」
「町?近いの?」
「ああ、すぐそこだ。って町の場所知らないのか。
ほんとにどこから来たんだ?」
首を傾げることでなんとか誤魔化す。
「おじさん、何してたの?」
「うん?俺はちょっと狩りしてたんだ」
「狩り?何捕まえたの?」
「鳥を何羽かだな」
「もっと、強いのは?」
「強いのもいるが、そんなに良く見つかる訳じゃねえんだよ」
「ふ〜ん。おじさん、強い?」
「まあまあだな」
「まあまあってどれ位?」
「う〜ん。どれ位って言ってもな。
ステータス教える訳にもいかねえし。
そうだな。この辺の生き物なら大体勝てるくらいだな」
「すごい!ステータスってどうやってわかるの?」
「ギルドで貰えるギルドカードを見れば分かるぜ」
「どうして?」
「どうしてって。う〜ん。
俺はそういう方面は詳しくない。
町に着いたらギルドで聞いてみろ」
「うん!」
じゃあその前に隠蔽できるか試しておくか。
種族:幼女は流石に不味いだろう。
え〜と。
よし、これでいいだろう。
ちゃんと種族:人族になっている。
このおじさんもそうだし、問題ないだろう。
「ギルドって何?」
「ギルドは色々あるが、俺が言ったのは冒険者ギルドのことだ」
「ぼうけんしゃ?!おじさんも冒険者?」
「ああ、そうだぞ」
「わたしも冒険者になる!」
「お〜そうか。頑張れ」
「冒険者って何するの?」
「なんだ知らずに言ったのか。
冒険者ってのは魔物を倒したり、
素材を集めたり、
まあ、人を助ける仕事だな」
なるほど。
俺の知ってる冒険者と同じだろう。
「ほれ、もう町が見えてきたぞ」
「おおー!」
「そんなに驚くことか?」
いや、そりゃあ驚くよ。
西洋の町並みなんて見たことないから。
すげーな。これは。
町の入り口までやって来た。
子どもたちが走っている。
楽しそうに話す人がいる。
平和そうで良かった。




