幼女は魔法を求めて
魔法。
この言葉の秘める魅力は計り知れない。
通常の、俺なんかの常識では測れない力。
科学では解明できない大いなる力。
在り得ないことを在り得ることに変える力。
照れ隠しに相手を消し炭にできる力。
意思の力で現実を歪めちゃうのか?
偉大なる〜みたいな呪文を唱えちゃうのか?
焼き尽くせ、漆黒の炎ッ!
・・・試してみようか?
瞑想して魔力を感じる、それから魔力の流れを意識、手に集めて、炎をイメージ。
ここで注意すべきはイメージの仕方。
出来るだけ具体的に具現化したいものを想像する必要がある。
良くあるのはこういうパターン。
ここまで結構ありがちな流れだった。
ならば、魔法もこういう感じで案外あっさりイケちゃうんでない?
チートの始まりなんじゃない?!
ここまで俺の戦いは非常に不格好だし、スマートじゃなかった。
これではイケナイ。
ノユたんを守れるほど強くなる。
出来ればカッコ可愛く成し遂げたい。
俺だって毎度毎度、◯ロいことになるのは御免なのだ。
ノユたんに◯ロとか見せたくない。
アレはかなり刺激的だ。
見せてはイケナイところが丸見えだし。
よーし、俺、頑張っちゃうぞ!
瞑想、瞑想。
心を落ち着ける。
自分の内側に注意を向ける・・・・・・。
・・・ダメだ、全く分かんない。
糸口さえ掴めない。
おかしいなー。
方法が違うのかな?
後はどんな方法があった?
う〜ん、思い出せない。
もしかして:魔力ない?
先生、軽々しくなんてことを!
いやいや、まだだ。
まだ、そうと決めつけるには早い。
おっさんも調べられるって言ってたし。
それまで待てば良いんだ。
勝手に見当違いのことをして、落ち込むのも馬鹿らしい。
うん。他のことをしよう。
カサカサ、コソコソ。
・・・・・・。
さ、さーて。
そろそろ疲れたし、帰ろーかなー。
カサカサ、コソコソ。
カサカサ、コソコソ。
しつこくない?
もう、良いだろ?
まだ、やるの?
二度あることは三度あるってか?
ハハハ、笑えない。
ポ~ン
―――――――
エンカウントしました
―――――――
面倒くせーなーと振り向いた俺の顔は固まった。
それはもうカチカチに。
凍ってしまったのように、石にでも成ったかのように。
そこにいたのはウサギだった。
凶悪な顔をした。
ウサギたちだった。
いっぱい、いる。
真ん中にいるのはピンクのウサギ。
あれ?なんか卑猥だ。
もうね。
表情がイヤらしい。
セリフを付けるなら、
「ほう?俺の手下が世話になったってぇのはお前か?今度は俺たちがたっぷり可愛がってやるよ。なあ、お前ぇたち?」
「「「へい、ボス!!」」」
というところか。なかなか迫真の演技だった。いや、アテレコしてる場合じゃないか。
どうするの、これ・・・?
ウサギたちが近づいて来る。
ゆっくりと包囲するように。
逃げないと、いけないのに。
おかしいな。
視界が、ぼんやりとしてきた。
瞼が重い。
逃げないと、帰らないと。
最後に見えたのは下卑たピンク野郎の嗤い顔だった。
ホント、笑えない。




