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念願の給料日

「っしゃあ!!やっと入ったー!!もやし料理のバリエーションも尽きてきてたし助かったー!!」


少し厚みのある封筒を大切そうに両手で胸に押し当てながら、翔は嬉しそうに歩く。他の通行人の視線なんて全く気にならない。


今年の3月に大学を卒業した翔は、社会人になってこれが3度目の給料日である。大学時代のバイトと違って、働く時間が長い分収入も増え、初めて銀行口座に振り込まれた金額を見た時にはATMの前で驚きに任せて叫んだものである。

テンションが高いままに散財したせいで、1月目は苦しみ、注意していた2月目は、親しくなったバイト先の仲間との交際費を惜しまなかったせいであのもやし生活に行き着いた。


「とりあえず…まずは肉だな!!家で食うと掃除が面倒だし、焼肉屋…ちょっと贅沢な気もするけど、食べ放題なら安く済むだろ!!」


携帯を取り出し、現在地から近い焼肉食べ放題の店を検索する。


丁度先月新規オープンしたばかりの店がヒットし、現在の入店状況も<待ち時間なく利用可>とのことだったので早速向かった。新しい看板が、異様に輝いて見えたのは、肉に対する禁断症状が末期だったからであることに間違いない。


店内に入れば、まだ昼時には少し早いこともあり、先程携帯のディスプレイが案内した通りすぐに席に通してもらえた。先客が焼く肉から出る煙の匂いににやけながら、席に着き、事前に確認しておいた2980円(税別)のコースを注文した。

本音を言えば、ここで飲み放題もつけたいと思ったが、三度目の正直。

このパターンで後々辛い思いをしたのだと自分に言い聞かせてなんとか我慢した。


今どきのタブレットでの注文に少し困惑しながらも大量の肉を注文。野菜?その2文字は今翔の頭には全くかすめてもいない。運ばれてきた肉に目を輝かせながら、網のスペースに無駄がないように肉を敷いていく。焼いては食べ、また食べては焼きを満腹になるまで繰り返した。





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