あつまれ王室恋愛ファーマー②
第68章
ミオ達がこの『あつまれ恋愛王室ファーマー』に来てから、数か月が経とうとしている。
ミオとアイシン皇子は、毎日のように、偶然、出会い。小さなイベントをクリアしながら、親睦を深め、タクシンは、二人の側で仲のいい二人を見ている事が、幸せ過ぎると感じていた。
「しかし、父上は、いつになったら結婚の申し込みをするのだろうか・・?母上の元には沢山の結婚の申し込みが来ているのに・・・・!! 」
魔法学校での生活は、毎日、楽しくて仕方がない。朝起きると、公爵令嬢であるミオは、すでにメイドが何人も待っていて、着替えなどは、自分で行う事もない。
「お嬢様、おはようございます」
「おはよう」
制服に着替え、食堂に出向くまでは、この世界にこのままずっと、アイシンとタクシンと共に過ごしてもいいと、思える。そして、食卓につくと・・・。
ベジタリアンの食事・・・・、しかし、タクシンは言う、
「母上、ヴィーガン生活でなかっただけでも感謝しましょう」と言う言葉をいつも思い出し、卵料理や、乳製品の料理を楽しみにして、食事に向かっている。
そうすると、父親のプラスムス公爵が、
「ミオ、遠慮しないで、野菜も沢山食べるといい。このカボチャのスープは体にいいと聞く、沢山、食べて、学校に行きなさい」
「お父様、ありがとうございます」
ーーー本来、どの国に出向いても素晴らしい食卓で、大量の肉料理があり、たまに魚をメインにしている国もあったが、・・・野菜が一番価値のある国は初めてで・・・、それに・・、そんなに好きでもないし・・。
「お嬢様、グリーン家のタクシン様が、お迎えにお越しです」
「わかりました。今日は、郊外授業があって、タクシン様とご一緒に向かう事にしたのでした。それでは、お父様、行って参ります」
「うん、行ってお出で、気をつけてな・・・」
既に、プラスムス家のサロンで、優雅にお茶を飲んでいるタクシンは、ミオを見つけると、立ち上がり、挨拶を変わす。
「おはようございます」
「おはよう。馬車で向かうには、少し時間がかかりますので、早めにお迎えに参りました」
二人は、大きめの馬車に乗り込み、話を始める。
「・・この馬車、メイド達と仕切りを作ったの?」
「ええ、常に従者がいる状況では、なかなか話が出来ませんし、馬車を改良してみました」
「ええ、やはり会って話すことが、一番安心です」
この国の授業は、畑で行われる事も多く、ミオとタクシンは意図的に、郊外授業を多く履修している。
「この国について調べたのですが、やはり雨が少ない国と言う事がわかりました。下級労働者の中には、水を汲む事を仕事にしている人もいます」
「だから、すべて魔法によって成長を助けているようです」
「しかし、王室以外の人間で、その成長魔法を使える者がいません」
「ダルマルは・・・?」
「ダルマルは、国王の血は引いていませんが、王妃の血を引いています」
「・・・・・・」
「王妃は・・誰?」
「当然ですが、クランです」
「では、クランが、アイシンを産んだの?」
「いいえ、そこは、やはりエレナミ様が・・・。そこは、誰にも知られてはいけない秘密です。また、誰かによって殺されかねません。フラグは回避しましょう」
「クランの力がずば抜けていると、国王陛下はお考えです」
「でも、ミルクが、小さな土地の改良が進めば、国民にとっても、王室にとっても負担が減っていい事だと思われますが・・?」
「どの世界でも、その国にとっての最善を、国を治める人間が、選択するとは限りません」
「ーーまったくその通りです」
「母上、・・いいえ、ミオ女史、着きました」
馬車が止まり、従者は、踏み台を出し、ミオとタクシンは、立派な農場に降り立った。
ミオとタクシンは、専属の教師から質問される。
「馬車の中でのお勉強は進みましたか?」
「はい、今日の予習を二人で行いました。窓の外を見る暇もなく景色をもう少し楽しみたかったです」
「大丈夫です。お二人の学年では、実習授業が豊富にあります。1年の内、半年は、農場に出て、魔法の訓練が行われます」
ミオとタクシンは、この国に来て、直ぐに、この国についての学習を始めた。当然だが、雇った教師はジュリエール、ジュリエールを紹介してくれたのは、アイシンだった。
「ジュリエール教師には、本当に沢山の事を教えて頂きました。今まで、知らなかった事が多すぎて、恥ずかしと思えました」
「いいえ、皇子から直々のご依頼で、このような素晴らしいお二人を教える事が出来て恐縮です」
タクシンとミオは、久しぶりのジュリエールに、本当は思いっきり甘えたかったが、そうもいかずに、集合場所へ急いで向かった。
この国の魔法学校の授業は、いかに農場を上手く経営し、国民に食料を供給して行くかを習う。
それぞれの魔法で、沢山を実をならしたり、巨大なトマトを育てたりしている。
そんな中、大きな出来事があった。併設されている牧場の牛たちが一斉に、暴走を始めて、大切な農園を潰し始めた。
生徒たちは一斉に、逃げ惑うが、誰も牛たちを止める魔法を持っていなかった。ミオは、
「仕方がない、わたくしの魔法を使うしかありません」
いつの間にか、ミオを抱き上げていたアイシンにミオは話した。
「アイシン皇子、安心して下さい。魔法で、牛たちを一気に空にあげて、牧場内に戻します」
「出来るのか?」
「はい」
アイシンは、タクシンと一緒にミオを守りながら、ミオは、初めてこの魔法を披露した。
ミオの黄色い光は、牛だけでなく土や柵、草や石なども空に舞い上がり、牛たちは、少し離れた牧場に移動させる事が出来た。
牛の移動は成功したが、残った農園は、悲惨な状況になった。
アイシンは、一斉に牛が暴れはじめた事に疑問を持ちながらも、生徒たちの安全を考え、一時的に、授業は中止とした。
従者が、
「アイシン皇子、先程、今回の騒ぎを聞いて、ダルマル皇子が、こちらに向かったと、ご連絡がございました」
ダルマル皇子とミルクは、一緒に、この農場を訪れて、被害状況の把握に努めた。
「アイシン、ご苦労、大変だったな・・・、しかし、どうして大人しい牛たちが一斉に、暴れ出したんだ?」
「兄上、絶対に誰かが、牛たちに魔法をかけたと思われます。その調査を進めると同時に、この農場を復活させましょう」
「今回の惨事で、多くの作物は駄目になってしまったが、何とかして、復活させようと思う」
そこで、ミルクが、
「わたくしが、今回、この土地の土を改良させます。種を撒く魔法を使える人はいますか?」
「僕が出来ます」と一人の生徒が立候補して、
ダルマス皇子が、
「ミルクが改良した土を、整備する魔法を持っている生徒はいるか?」
「わたくしが出来ます」と名乗り出る女性生徒たち。
それから、壊滅状態だった畑は、何とか元に戻り、最後に、ダルマル皇子は、畑の栄養になる肥料の魔法をかけて、その日は、戻る事になった。
アイシン皇子は、タクシンとミオと話し、
「これで、雨が降ると、あの農場の成長スピードは、一気にすすむのだか・・・・」
タクシンとミオは微笑み合って、
「タクシン皇子、ご安心下さい。2日後に雨が降るでしょう」と声を揃えてアイシン皇子に教えた。
「しかし、どうして、アイシン皇子は、ミオ女史を、抱き上げて守っていたのですか?」
二人は、笑顔のままタクシンは、アイシン皇子に聞いてみた。
「ミオ女史には、失礼な事をしたと心から詫びるしかない。しかし、自然に君を抱き上げ、守る事しか思いつかなかった。今回の騒動の中で、大勢の生徒がいる前で本当に失礼な事をした。しかし、ミオ女史を守る事ができて、本当に良かったとも思っている。大切な人だ」
タクシンは、意地悪く、アイシン皇子に聞く、
「アイシン皇子は、これからどのように、するおつもりですか?」
「当然の事だが、父上から許可を頂き、結婚の申し出をしようと思っています」
アイシン皇子とミオは、見つめ合い、幸せそうにしていた。タクシンは、そんな両親を見て、
「おめでとうございます。末永くお幸せに・・・」と二人を祝福した。




