あつまれ王室恋愛ファーマー
第67章
アイシン、ミオ、タクシン、ダルマル、ミルクは、同じ貴族学校に通う、同級生。
少し(?)太っているが人望もあり、頭のいい第1皇子は、既に、王位を継承する事が決まっていた。
ミオは、今回、公爵令嬢、タクシンは、皇子達とも仲の良い公爵家の跡取りだった。
「ねぇ、タクシン、この設定、おかしいわよね。私達、血縁関係が無いなんて・・・、それに、わたくし、絶対、あの二人の邪魔はしません。だって、二人は、大恋愛の末に、とっとと、結婚したのよ。今回も、幸せな結末で会って欲しい」
「しかし、前回のように、そう簡単にこの世界を消滅させる事は、出来ないみたいです。しばらく、様子を見ましょう。とにかく、父上と知り合いになって、恋愛をして、結婚して、マユだけでも誕生させましょう」
「そうなると、タクシンは、わたくしの子供ではなくなります」
「母上、同級生の設定で、すでに違います。僕は、どうやら、公爵家の養子のようです」
「・・・・また、怪しい設定ですね」
「少し様子を見ましょう。アイシンの学生時代が見れるだけでも、嬉しいです」
「僕もそう思います」
「母上、この世界では、魔法が使えるようですよ。ダルマルは王位継承する程の魔法能力があると思われます」
「おおおお・・・、食べ物関係の魔法だったりして・・・・」
「まさか・・・・。ハハハハ・・・」
次の日、ミオとタクシンは、この魔法学校のテラスでお茶を飲みながら、
「記憶の整理を始めましょう。・・・・・、」
二人は記憶の整理を始め、
「ーーータクシン、あなた・・・・」
「ええ、どうやら、ダルマルと父上とは異母兄弟の設定ですね。・・・・母上は、偶然、その事を聞いてしまって、殺されたようです」
「アイシンとあなたが、似ているのは当然ですが・・、どう見ても、ダルマルには、無理があります」
「ダルマルは、本当に国王の子供なのでしょうか?」
「母上、ここで、その話はしてはいけません」
「そうね。どうやら、その事も関係ありそうですね」
「しかし、どうしても国王陛下は、ダルマルを跡継ぎにしたいようです。確かに、今までのダルマルでしたら、本当に優秀でしょう。しかし、ご自分の子供に、継承されない理由があるのでしょうか?」
「母上、しばらくはこの世界に留まりますか?」
「ええ、学生生活を楽しんで、アイシンと共に生きたいです。そして・・」
「思い出してもらいたいです。わたくしとタクシンを・・」
「ーーーーーー」
その時、「タクシン! 」と、アイシン第2皇子は、声をかける。
二人は立ち上がり、正式な挨拶をした。
「どうしたの?二人は、随分と深刻そうに見えたけど・・・」
「いいえ、アイシン皇子は、これからどちらに行かれるのですか?」
「僕は、農場だよ。定期的に魔法を掛けなくては、作物が育たないだろう?今日は、ぼくの番だから、授業は休みだ」
「アイシン皇子、わたくし達も、今日の授業はありません。ご同行させて頂きたいのですが・・?」
「うん、珍しいな・・、では、一緒に出向くとしよう。今日は、新入生の農業魔法に優れているミルク女史も同行する事になっている」
「そうですか・・・」
馬車は、当然のように別々になっていて、それぞれの家の馬車で、郊外の巨大農場を目指した。
馬車で揺られながら、ミオは、自分の中に存在している魔法を探している。
「この魔法って、この世に必要なのかしら・・・?最低の魔法だわ・・・・」
馬車を降りて、農場の中心にある広場で、アイシンは、この国の食料の為に、魔法をかけていく。
ミオとタクシンは、手を精一杯広げたアイシンを後ろから見ていた。
「タクシン、あなたの魔法は、どのような魔法でしたか?」
「ええ、水系です。水のある所に移動できるようですが、雨を降らしたりは出来ません」
「母上・・ううん(咳)ミオ女史は、どのようでしたか?」
「風系でした。しかも、暴風や竜巻で、自然災害につながる程の威力があります」
「それは・・・。なんと言っていいのか・・。残念な魔法ですね」
「この国についての記憶が、入って来て、わかった事ですが、この国の食糧事情は厳しいのもです。作物が主流のようで、肉や魚は、下級階級の人間しか食べていません」
「マジ?」
「ううん(咳)母上、本当です」
「作物には、国王陛下や皇子達が、もたらした魔法が含まれていると信じられています」
「魔法を使える者は、官僚待遇になり、王宮で仕事に就けます。貴族は、血統を大切にしていますので、魔法を使える者が多く生まれ、それなりの仕事に就けるのです」
「それでは、貴族に産まれても魔法が使えない人には、厳しい世界にになるのでは?」
「いいえ、結局は、遺伝子レベルの話になり、貴族同士での婚姻が進んで、次の世代に期待を持つことができます」
「作物に魔法をかけて育てる能力は、当然、国王陛下が、一番、お強いのですか?」
「そうでも、ありません。陛下は、最近、体調が優れずに、魔力が落ちてきている様です」
「??????」
アイシン皇子が、一休みする為に、こちらに向かって来た。
「現在、この国一番の作物魔法をお持ちなのは、ダルマル皇太子です。兄上は、お優しい人柄で、植物を深く愛し、常に、国民の事をお考えになっていて、素晴らしい継承者です」
「しかし、最近は、この農場に降る雨が少なく、少し困っています。タクシンの魔法は、本当に、雨に変わる事はできないのか?」
「その事は、何度も説明しました。水のある所に移動できるだけで、大地に水を与える事は、無理です」
「ーーーミオ女史・・・は、絶対に、その魔法を使わないでくれたまえ・・・、作物が全滅するから・・」
「アイシン様、わたくしも、いつかこの国の為に役立つ事があるかも知れませんよ」
「うん、そうだな・・。ハハハハハ・・・」
「それにしても、私は、ミルク女史の魔法は、本当にいい魔法だと私は思っている」
「どのような魔法ですか?」
「土の魔法で、作物に合わせて、土を改良してくれる魔法なんだ。それによって、今のように大規模農場を建設して、王族が、このように魔法を掛けなくても、小さい場所でも作物が育つ」
「へーーー。それは素晴らしいですね」
「しかし、父上は、何故か反対しています」
「国王陛下は、今までのように、王室が国民全員の為に、役立つ魔法で、この国を救いたいのですね」
「ええ、それがいいのか、変革がいいのかは、誰にもわかりませんが、僕は、国民の為に、この魔法を使い、植物を育てる事を誇りに思っています」
(相変わらず・・、真面目です。)
「もう少し、時間がかかりますが、お二人には、ここの農園の野菜ジュースを召し上がって欲しいので、あちらで待っていて下さい」
「皇子、ありがとうございます」
ガラス張りで、設備が整った立派で、美しい休憩所では、多くのメイドや使用人が働いている。
「お待たせいたしました」と運ばれて来たのは、本当に、野菜ジュースだった。
「こちらは、この農園100%の野菜ジュースです。ご一緒に、野菜ケーキ、野菜クッキーもどうぞ、もう少しで、皇子もお戻りになります。失礼いたします」
運ばれて来たすべての物は、野菜で出来ていて、それらを見たミオは、
「ーーーー何のための苦行・・・?」と嘆いた。
「母上、このゲームの題名は、『あつまれ恋愛王室ファーマー』ですよ。野菜を作りながら、恋愛を成就させるのがゲームの進め方です」
「そんな・・・。それは、わたくし達には向いていません! 」




