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「はぁ……はぁ……こ、これ何で出来てるんだよ……」
「さぁな。お前の腕の問題じゃないか?」
「ぐ……」
言い返したいところだが否定する要素がなく言い返す言葉もない。
実際砕き始めてからしばらく経ったが、水晶は多少削れてはいるものの砕ける様子はない。
このまま続けていればいつかは砕けるかも知れないが、何日かかるかわかったものではないだろう。
それに時間をかければ砕ける可能性がある以上、今砕けないのは彼女の言う通り実力不足なのだ。
「おい、もうじれったい。諦めて飲め」
「ち、ちょっとまっ――――」
しびれを切らせたロゼによって無理矢理赤い液体、彼女の血を飲まされる。
じれったいと思われるのも無理もなく、時間が経つにつれて冬夜の動きは悪くなっていた。
誰だっていつになるかわからないものを待つよりは、可能性がある方を選ぶだろう。
「うっ……あっ……」
「あ、言い忘れてたことがあったな。もしかしたらちょっと苦しいかもしれん」
「さ……きに――――」
冬夜は言葉を言い終わるより先に地面に倒れ込む。
ロゼはちょっとと言っているがそんなレベルではない。
全身が焼ける様な熱さ、砕かれるような痛みに襲われる。
彼女に騙されたとしか思えない。このまま意識を失えば2度と目が覚めないんじゃないかとさえ思えてくる。
「安心しろ。私はお前の味方だ。最終的にお前に害することはしないさ」
「で、できれば……最初から……味方でいてくれ」
彼女の言うことは間違いでは無いのだろう。
激痛ではあったが段々と痛みが和らいで来ている気がする。
残念ながら初期値が高すぎたため、気がする程度でしか回復していないが。




