表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔術使いの成長譚  作者: 水無瀬
Episode3-新学期-
97/114

-22-

「そういやここって何も無いよな。

もしかしてこれを素手でってことか……?」

「そこまで鬼では無いさ。ほら、これを使え」


そう言って彼女は抜き身の刀を投げる。

その刀は見覚えのあるものだった。

それはこの学園に唯一持ってきたものである。


「ど、どうしてこれを?」

「どうしても何もここはお前の中だ。

お前が認識しているものだったら何でも出せるぞ」


ロゼはほらと言うと同じ刀をポンポンと手元に出現させる。

原理は全くわからないが、どうやら言っていることは本当のようだ。

正直言ってこれだけたくさん出されるとあまり良い気がしない。


「ま、まぁ良いや……とりあえずこれを壊せばいいんだよな」

「そうだ。あと、こいつもやるから飲め」


そう言って彼女は小さなコップを差し出す。

そこには赤い液体が入っている。

冬夜はその液体は見たことが無いわけではない。

だが、それは一般的には飲み物ではないし、当たってほしくは無い代物だ。


「おい、ロゼ。それは一体――――」

「私の血だ。毎朝飲めるくらい飲みやすいと評判だぞ」

「そんな訳あるか!どこの世界で血が日常的に飲まれてるんだよ!」


赤い液体は考えつく限り最悪の結果だった。

冬夜は今回ほど予想が当たったことを後悔したことはない。

自分のものですら飲もうと思わないが、他人のものなんてなおさらだ。


「さぁ。何を躊躇っている。お前は私の願いを叶えてくれるんだろう?」

「叶えるとは言ったが血を飲むとは言ってないぞ!」

「確かにな。では、叶えて貰おうか。

ただし、お前ができなかった時は飲んでもらうからな」

「……わかった。できなかった時は約束するよ」


彼女がなぜそこまでして自分の血を飲ませたいのかわからないが、

願いさえ叶えれば回避できるはずだ。

所詮はただの水晶だ。素手では厳しいが、武器さえあれば問題はない。

サクッと壊して願いを叶えて貰おう。

そう考えていた冬夜の思惑は儚く砕け散る事となる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ