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「こ、ここは……」
冬夜が目を覚ますと先程とは打って変わり、雪原だった。
周りに草木はなく、見える限りに真っ白な景色が広がっている。
だが、この白銀の世界で、唯一目に着くものがある。
水晶のようなものでできた柱だ。高さは3、4階建てのビルくらいあるだろうか。
「ようやく目が覚めたか。のんびり話している暇も無いから行くぞ」
「え……?どこに?ま、待って!!」
いきなり現れたかと思うとロゼは冬夜の首を掴むと軽々しく肩に担ぐ。
冬夜は決して軽い部類では無いはずだ。
それを軽々敷く持ち上げられて彼も驚きを隠せない。
更に驚きはそれで終わらない。彼女はそのまま、柱に向かって走り出す。
驚いたのは走り出したことではない。その速度だ。
間違いなく冬夜の最速時よりも早い。
この速度を見切れる人はそう多くないだろうと思えるくらいだ。
「ほら、着いたぞ」
彼女は乱雑に冬夜を下ろす。
少し転がった後に周りを見渡すと想定通り柱の元まで来ていた。
遠くから見てわかっていたことだが、水晶の大きさに圧倒される。
この水晶は高さだけでなく奥行きもあった。
その証拠に水晶を通すと反対側が見えないほどだ。
更に遠目ではわからなかったが、柱を囲むように2mほどの別の水晶が6個存在していた。
「すげぇ……なんなんだよこれ……」
「これが私の願いだ。ここにある水晶を壊してもらう」
「え?これ全部をか?」
周りにあるものならいざ知らず、柱については不可能だとやらなくてもわかる。
ビルを倒壊させるようなものだ。個人でできる範囲ではない。
「ふっ……流石にそこまでは言わないさ。
小さいものを一つ壊してくれれば良い。」
彼女が言うには一つ壊す度に一度手を貸してくれるそうだ。
一つに付き一度。交換条件としてはわからなく無い条件だと思う。
冬夜は早速壊そうとするも、手元になにもないことに気がつく。




