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「そうだな。では場所を移そうか。ここで立ち話もなんだしな」
彼女がそう言い、指をパチンと鳴らすと周りの風景がうって変わる。
先程までのガーデンではなく、気がつけば室内にいる。
どんな魔術を使ったのかわからないが、何かを使ったことだけは間違いない。
部屋の中は洋室となっており、室内にはテーブルしかなくとても殺風景だ。
洋室ということを考えるとここは、先程まで外から見えていた洋館の中かもしれない。
「その顔を見る限り、何が起こったかわからないといったところだな」
「そ、そりゃ驚くさ。何もわからないところに更にわけわからないことしやがって……」
混乱していく一方の冬夜に対し、ロゼは彼の様子を見て楽しんでいるようだった。
彼女はそんな彼に構わず再び指をパチンと鳴らす。
すると今度は、テーブルの上にティーセットとお菓子が出現する。
「い、一体どうなってるんだ……」
「ふふふ。私の特権といったところだ。
さて、色々聞きたんだろう?席につけ」
彼女に言われるがまま、冬夜は席に着く。
テーブルにある紅茶やお菓子は見たところ本物だ。
しかも紅茶は淹れたての様に湯気が出ている。
「これ全部本物なんだよな?」
「そうだ。別に飲みたくなければ飲まなくても構わないぞ」
ロゼはそう言い紅茶を飲む。
心配はしていないが、変なものが入っていることはなさそうだ。
彼女はカップを戻すと口を開く。
「私についてだが、私はここの庭師だ。
それ故この庭では、この様に色々できるというわけだ。」
「いやいや、こんな魔法みたいなことができるし庭師なんているわけないし。
それにここは俺の中なんだろう?なんで、ロゼがそんなことできるんだよ」
彼の言い分は最もだ。
彼女の言っていることは嘘ではないのだろうが、隠し事が多く理解しきれない。




