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「うわっ!いきなり現れないでくれよな……」
「相手の舞台に来たんだ。ボケっと突っ立ってる方が悪いと思うが?」
唐突に声をかけられ驚く冬夜に銀髪の麗人、ロゼはそう答える。
彼女の言い分もわからいこともないが、それ以上に彼女の気配の消し方が上手かった。
まるでそこに急に現れたかのような現れ方だ。
「まぁ、確かにそうかもしれないけど、急に呼んどいてそれはないだろう!
ん?急に呼んどいて……?」
冬夜は自分の言葉に違和感を覚える。
先程ロゼは呼んだ意味が無いと言っていた。
以前ここに来た時は冬夜の方から来たような言い方だったはずだ。
ここがどこどだか相変わらず分からないが、少なくともロゼが連れてくることが可能な場所なのだろう。
そう考えるとますます謎は深まる。
ここの場所やロゼについて。
「その様子だと今更ここがどこか気になり始めたようだな」
「え!?い、いやそんな事ないと思うけど……」
彼としては誤魔化そうとしているのだろうが、不自然過ぎてそれでは誰も騙せないだろう。
その様子を見てロゼは溜息まじりに話し始める。
「まぁ良いさ。どうせそれも話すつもりだったんだ」
「本当か?」
前回同様はぐらかされる可能性があるものの話してくれる事は素直に喜ばしい。
何せ未だここについてろくな情報がないのだ。
わかっているのは帰り道と家主の名前くらいである。
「本当さ。とりあえずここについてだが、ここはお前の中だ」
「は?はぁぁぁ!?」
彼女の口から飛び出した言葉は、突拍子もない答えであった。
それは冬夜を混乱させるには十分過ぎるほどの言葉だ。




