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それから数度同じ攻防を繰り返す。
結果は全て同じだ。冬夜が寸前のところで避け、また雄二が大剣を振るう。
至る所の地面は抉れ、その数と同じかそれ以上に冬夜は傷ついていた。
正直、見ている側からすれば止めに入りたくもなる。
このやり取りが見えきった結果に一歩ずつ近づいていっている様にしか見えないからだ。
「なぁ冬夜。いい加減に諦めたらどうだぜ?
これ以上やっても怪我が増えてくだけだぜ……」
「ははは。確かにそうかもな。でも、勝ち目がある限り諦めることは無いさ」
そう言う冬夜の言葉は虚勢にしか聞こえないが、本人は本気で言っているようだ。
彼の眼はまだ諦めることはなく逆転の一手を探っていた。
ただ1つだけある逆転の芽を掴み取るため。
『可能性はあるはずだ。あの剣なら雄二にでも通るはず。
陽菜のときと同じでいきなり本番になっちゃうのが心配だけど……』
決意を新たに刀を握りしめたところで、冬夜に声が届く。
その声は小さく聞き取りにくかったが、かろうじて聞き取れたその言葉は勝ちたいかだった。
声の意図を理解すると同時に彼は自分の意識を手放すことになる。
――――
――――
「ここ……は?」
目を覚ますとそこは先程までいた場所ではなかった。
対戦相手の雄二も神崎も観戦していた生徒もいない。
ただ、そこは見知らぬ場所ではなかった。
イングリッシュガーデンのようなその場所は、以前も同じように気づいたらいたことがあったからだ。
「また、ここか。って事は家主がいるはずだよな?」
「あぁ。もちろんだ。でなければわざわざ呼んだ意味がないだろう?」
声の方を振り返るとそこには銀髪の麗人が立っている。
あまりにも自然にその場にいるせいで、近づかれていたことにすら気づかなかった。




