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「お互いかっこいいとこは見せあったわけだし、ここからはフェアにいくぜ」
「あ、あぁ。そうだな……」
そう言う雄二の気合いは十分で、突き刺していた大剣を手に取ると軽々しく振り回す。
一方の冬夜はと言うと魔力も大半を使ってしまい、疲労が伺える。
2人の様子を見た誰もが結果を見なくともどうなるかくらい分かるだろう。
冬夜はなんとか逆転の一手を探るものの、この状況でそんなものはないも同然であった。
「終わったわね。流石に詰み。怪我しないうちに辞めるのが正しいと思うわ」
「陽菜ちゃん冷たいです!冬夜君辞める気ないみたいです。頑張れー!冬夜くーん!」
陽菜の判断は当たり前と言えば当たり前だ。
どんなに贔屓目に見たとしても冬夜の勝ちはまずない。
冬夜も応援してくれるのはありがたいが、答える手段がない状態だ。
「陽菜ちゃんもああ言ってるし、辞めるなら今のうちだぜ?」
「確かにな。でも、せっかくの機会なんだ。やることやってから大人しく負けを認めるよ」
「わかったぜ。それなら遠慮はなしだぜ!」
今度はこちらの番だと言わんばかりに雄二が駆け出してくる。
速度は先程の冬夜には遠く及ばないものの、力強さは桁違いだ。
下手をすれば触れただけでも鎧袖一触にされてしまうかもしれない。
「どぉおらぁああ!」
「くっ……」
寸前のところで冬夜は雄二の攻撃を避ける。
大剣の一撃は冬夜の代わりに地面を大きく抉った。
飛び散った破片が冬夜に傷を付けていく。
破片ですらダメージを与えてくるのだ。直撃すれば流石に万全の状態でも一撃だろう。
「これはちょっと笑えないな」
「まだまだこんなの序の口だぜ。転入早々ひき肉にしてやるぜ!!」
言っている方は冗談なのかも知れないが、言われている方はとてもそうは聞こえない。
これがまだ攻撃を見る前であれば笑えたのだろうが今は違う。
彼の言葉通りの結末を容易に想像できてしまうのだ。とてもじゃないが笑っていられない。




