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神崎や見ている生徒たちが驚いているのがわかる。
それは冬夜がこれ程の攻撃を出せるとは思っていなかった驚きもある。
しかし、驚いているのはそれだけではない。
攻撃の結果が予想外であったのだ。
「ふー。危なかったぜ。完全に油断してたからダメかと思ったぜ」
「う、嘘だろ?」
冬夜の攻撃は完全に決まっていた。
これ以上にない程上手くやれていたはずだった。
しかし、結果としては雄二は何事も無かったかのように立っている。
それどころか刀は雄二に当たったまま振り切れていない。
彼の胸に押し当てる形で止まってしまっている。
「それじゃ、今度はこっちの番だぜ」
「まずっ!」
冬夜できる限り距離を取ろうと後ろに下がるが、少し下がったところでつまづいてしまう。
予想外なことが起こったせいか、彼は動揺している自覚があった。
その動揺が肝心なところでミスへと繋がってしまった結果だ。
「うぉぉぉ!!」
「くっ……」
尻もちをついて無防備なところに雄二からの攻撃がくる。
はずであったが、それはいつまでも来ることはなかった。
その代わりのものはファサっと音をたてながら目の前に落ちる。
それは学園の制服だった。
「……は?」
「見るぜ!この俺の鋼の身体はあんな攻撃を食らっても傷一つない最強の鎧だぜ!」
雄二はなぜか上半身裸になり、筋肉を見せつけている。
たしかに彼の言う通りその身体には傷一つ付いていない。
それに加えとても良く鍛え上げられている。
ここまで鍛え上げるには一朝一夕に辿り着ける領域ではないだろう。
自身で最強の鎧と豪語するのもうなずける。
「は、はぁ……確かにそうだな」
「ずるいぜ冬夜!あんなかっこいい技見せられたら俺も対抗するしか無くなるぜ!!」
周囲の生徒も呆気に取られ、雄二以外の全員が同じ顔をしている。
仮にこの身体が冬夜に対する対抗であるなら、勝者は雄二になるだろう。
冬夜は傷一つ付けることが出来なかったのだから。




