-13-
「あ、そうだ良いこと思いついたぜ。まず一撃は冬夜に譲ってやるぜ」
「……え?」
宣言通り攻撃を受けるつもりなのか、大剣を地面に突き刺し両手を上げている。
恐らく彼はガードすらする気が無いのだろう。
「本気で言ってるのか?今回のルールわかってる?」
「そこまでバカじゃないぜ!下手したらこれで終わるって話だぜ?
そんなの承知の上に決まってるぜ」
冬夜にとってはありがたい話ではある。
普通にやっても勝ち目が無いことは陽菜との戦いで証明されている。
陽菜が微塵も本気を出ていない状態でも誰が見てもわかるほどの力量差があったのだ。
おそらく今回も同じ結果になるだろう。
それだけにこの提案はありがたいことではある。
「なめられてるのはちょっと癪だけど、ありがたくそうさてもらうか」
「大丈夫だぜ!俺は何があっても傷つかない鋼の雄二だぜ!!」
そう言い彼は両腕を広げて冬夜の攻撃を待つ。
彼の言い方からして、冬夜を下に見ていると言うより余程防御力に自信があるのだろう。
もちろん冬夜の攻撃を甘く見ているのもゼロではないのは確かだ。
『 悔しいけどまともに入れられるのはこれが最初で最後になるだろうな……』
正直、今の冬夜では攻撃を掻い潜って反撃などできるはずもなく、相手が油断している所を叩くしかないのだ。
そのため、後の事など考えずありったけの魔力を身体中に走らせる。
陽菜には効率が悪いと怒られそうではあるがそんな事に構ってなどいられない。
一撃だけ打てれば良いのだ。それ以降は立っていようが倒れていようが結果は変わらない。
「いくぞ雄二!」
「良いぜかかってこいだぜ!!」
「第三秘剣【雷切】!」
陽菜にも出した技を繰り出す。
現状の冬夜が出せる最大の技であり、万全の体制で放ったこの技が効かなければ勝ち目が無いことになる。
雄二が攻撃を来ることが分かっていることが唯一の懸念点ではあるが、この速度ならば関係ない。
冬夜には相手が構えるよりも先に攻撃出来る自信があった。
左肩から右下に抜ける渾身の袈裟斬りが雄二に入る。




