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「なぁ、雄二。これどうやったら動くんだ?」
「なんかこうぐにゃぐにゃって頑張るんだぜ。
って言いたいところだけど、そういうことだぜ。
つまり、魔力で何かを操るって言うのがそもそも難しいんだぜ」
魔術を使っていいのであれば操れる者はいる。
例えば風や静電気などをコントロールし、目的の動きをさせたりといったことだ。
これが魔力になると話は別になる。
例えるなら、銅線に電気を流すだけで銅線を動かせと言っているようなものだ。
ごく一部の器用な者であれば可能であることは確かなのだが、それが出来る人は概ね普通に魔術を使った方が強い。
そのため、わざわざ使う人が居ないというわけである。
「どこにも変わり者はいるのよ。あんまり認めたくないけどね」
「うわぁ!って陽菜もう終わったのか?」
「私の勇姿を見てくれてないなんて悲しいわね……」
いつの間にか試合を終えていた陽菜にそう言われる。
雄二との会話に集中していたのもあるが、冬夜は終わったことに気づかなかった。
それも無理はなく、終わるのが早すぎたのだ。
陽菜たちの試合は明らかに今までのものよりも早い。
文字通り瞬殺だったのだろう。
陽菜の後には落ち込む美琴の姿がある。
この広さで弓を持っている美琴はだいぶ不利だったはずなので、すぐ終わるのも仕方ないのかもしれない。
「それでは次、皐月くんと柊くん来てください」
「ようやく出番だぜ!」
「来ちゃったか……」
テンションの上がる雄二とは対照的に冬夜のテンションは下がっていく。
「気楽にやって来なさい冬夜。私以外にやってきたことが試せると思いなさい」
「うーん……できるだけ頑張ってみるよ」
陽菜励まされ、壇上へと登る。
壇上にはニコニコした顔を神崎がいる。
冬夜としてはこの顔を見るとろくな目に合わない気がしてならない。
そして、その予感は今回も当たるのだった。




