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一組終わると次の一組、また一組と試合は進んでいく。
組み合わせはランダムに決めたのか、ワンサイドゲームで進むものや拮抗するものなのど様々であった。
生徒たちも結果に一喜一憂したり、あれは良かったこれはダメだったと反省したり様々だ。
「それでは次ですね。
立花さんと如月さんお願いします」
「ようやく出番ね。美琴よろしくね」
「はいです!精一杯頑張るです!」
壇上に上がる陽菜の手にはいつものレイピアが握られている。
一方、美琴は和弓を手にしている。
サイズを見るに美琴の弓は半弓と呼ばれるものだろう。
それでも彼女の身長からすると大きく見える。
模擬戦を行っている舞台は縦横7m程のスペースだ。
「立花さん。分かってるとは思いますが、鋼糸は使っちゃダメですよ。」
「分かってるわよ。せっかく練習したのに使う機会無いなんて思わなかったわ……」
陽菜は不貞腐れるような素振りを見せるが、もう慣れたことなのだろう。
あまり気にしていないようにも見える。
「なぁ、雄二。鋼糸って何の事だ?」
「あーそっか。冬夜は聞いてないんだぜ?あの事件」
雄二によると陽菜の破壊事件は学園でも有名な話らしい。
その際、使っていたのが鋼糸というものらしい。
それは読んで字のごとく鋼でできた糸で、その糸を魔力で操り武器として使うそうだ。
他の武器と違い安全を確保することが難しく、かつ破壊事件があったために使用禁止になったらしい。
「陽菜ちゃん以外にあんなの使う人居ないから、影響受けてるのは陽菜ちゃんだけだぜ」
「そうなのか。なんか使わない理由でもあるのか?」
「試してみればわかるぜ。冬夜、この糸動かしてみるぜ」
そう言って雄二は1本の糸をくれる。
それはどこにでもあるような普通のタコ糸だ。
冬夜は言われるがままタコ糸に魔力を通してみるものの何も起こらない。




