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「お邪魔します……?」
冬夜は恐る恐る教室の扉を開ける。
中にはちらほら生徒がおり、席に着いている人、友人と会話をしている人など普通の高校と同じ光景が広がっていた。
教室も特別変わった作りをしておらず、普通の高校に通っているのではないかと思える程だ。
「何ボケっとしてんのよ冬夜。
邪魔だからさっさと入んなさい」
「痛った!」
陽菜蹴飛ばされ否応なしに教室へと入る。
ダイナミックな入室をしたせいか教室が一瞬静まり返る。
しかし、静まり返るのは文字通り一瞬で、またみんな先程までと同じことに戻っていく。
「あー!陽菜ちゃんです!
おはようですー」
声のした方向に目を向けると小学生と見間違えてしまうくらいの女の子がいた。
学園の制服を着ていなければ、高校生と言われても信じなかっただろう。
「おはよう美琴。今年も同じクラスなのね」
「そうです!
また陽菜ちゃんと同じクラスになれて嬉しいです!」
美琴と呼ばれた女の子は陽菜と同じクラスになれたのが余程嬉しかったのかピョンピョン飛び跳ねている。
やはり、どう見ても高校生に見えないのだが、ここにいる以上そうなのだろう。
美琴は冬夜がいることに気がつくと、慌てた様子で向き直る。
「あ!ごめんなさいです。
私如月 美琴って言います!宜しくです!
えーっと陽菜ちゃんのお友達さん……?」
「一応そうなりますね。皐月冬夜です。よろしくお願いします」
美琴はそう言って深々と頭を下げる。
冬夜は美琴の口調やその様子につられてかしこまった挨拶をしてしまう。
「なに?冬夜そんな気持ちの悪い挨拶してるのよ」
「別に悪くないだろ!丁寧に挨拶されたから丁寧に返しちゃうだろ!」
冬夜の言う通り、なにも悪い挨拶をしているわけでは無いがらしくないと言えばらしくないのかもしれない。
陽菜は陽菜でとても悪いものでも見る様な顔をしている。




