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「こうして陽菜の作った朝ごはんを食べるのも久しぶりだな」
「言われてみればそれもそうね。もっと喜んでもいいのよ?」
顔を洗い、リビングに戻るとテーブルには彼女の料理が並べられていた。
今日は和風の気分だったのか、焼き鮭に味噌汁、漬物などと言ったラインナップになっている。
冬夜としてはもっと派手な料理でも構わないのだが、作ってもらっている以上文句は言えない。
「今日はずいぶん暖かいわね。
すっかり春って感じね。」
陽菜は冬夜がテーブルに着くなり、そのような事を言う。
彼女の言う通り今日はとても暖かく、新学期日和なのかもしれない。
「そうだな。きっと壁の大穴が無くなったおかげだろうな」
冬夜は用意されていたお茶を飲みながらそう答える。
部屋に開いていた穴は修復され、今では元通りになっている。
壊された当初は予定通り冬夜の氷で固めていたのだが、部屋が寒くなる、氷が溶けて浸水すると言った弊害が出たためちゃんと修復したのだ。
修理してもらったのもつい昨日の夜の出来事のため、壁がある朝を迎えるのは寮に来て以来初である。
「でも、そのおかげで魔術を使えるようになったじゃない」
「そうなんだよなぁ、癪だけど……」
冬夜が無事魔術を使えるようになったのは壁が崩壊したあの日からだ。
本人は無我夢中で壁を作ろうとやっていただけだが、たまたまそれが成功し、たまたまコツを掴んだのだ。
そのおかげか何かを凍らせたり、氷の塊を作り出すくらいなら難なくできるようになった。
「さて、そろそろご飯食べましょうか。初日から遅刻なんて嫌だし」
「そうだな。転入初日から遅刻は後々大変そうだ……」
二人は朝食を終えると準備をし学園へと向かって行く。




