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「とう……や……冬夜!起きなさい冬夜!」
「あ……あぁ、おはよう」
「久しぶりに起こされてびっくりした?
今日から新学期なんだからシャキッとしなさい。」
陽菜の言う通り今日から新学期が始まるのだ。
大抵の学生にとってはただの新学期だが、冬夜にとっては初の魔術学園になる。
昨日までも学園に行ってはいたが、それは補習や部活に近いもので授業などがあった訳では無い。
それに学生にもほとんど会っていないので、ある意味今日からが魔術学園の生徒としての本番なのだ。
「元の高校が懐かしく感じるな」
「ここに来てホームシックなの?大丈夫よ。魔術学園もあくまで高校。基本は同じよ。
とりあえず顔洗ってきなさい。朝ごはんは用意しておくから」
彼女はそう言うとキッチンの方へと向かって行く。
「とうとう新学期か……今までみたいに気楽に行くだけなら良かったんだけどな。
ま、そういう訳にはいかないし頑張るか」
壁が壊されたあの日以降も冬夜は神崎と陽菜のレッスンを受け続けていたのだ。
そのおかげもあり、今では最低限の魔術は使えるようになった。
『流石ですね皐月くん。これだけ出来れば、魔術師もどきの振りはできますよ』
『正直冬夜がここまで出来ると思わなかったわ。
魔術師は無理でも魔術使いくらいなら名乗ってもいいと思うわ。』
最終日には二人からこのような評価を得るレベルには成長していた。
このような評価になるのは無理もなく、魔術は最低限レベルだが魔術の絡まない近接戦闘に関しては目を見張るものがあったからだ。
神崎の見立てでは、クラスでも半分くらいの実力に入るだろうとのことだった。




