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「ふぅ……魔術学園の寮なんだから少しくらい対策しときなさいよ」
「は……?はぁ?え?どういうこと?」
冬夜が急いで部屋に戻ると部屋はぐちゃぐちゃになり、壁には大きな穴が空いていた。
ぐちゃぐちゃになった部屋には悪魔の如き人物が悪びれる様子もなく佇んでいる。
「片付け終わったから遊びに来たのよ。玄関から回るのめんどくさかったからちょっとね」
「ちょっとねとかそう言う話じゃないだろ!」
常識的に考えて友人の部屋に遊びに行くのにこんな形のショートカットを行う人は居ないだろう。
それだけでもアウトだが、ここは学生寮だ。
壁を壊すなんてことをしてしまっては問題になるのは間違いない。
「ここは一応魔術学園の学生寮よ?ちょーっと魔術使っただけで壊れるとは思わないじゃない?」
「いや、ここを作った人もまさかそんなことするやつが出てくると思わないだろ……」
確かにこの学生寮は見た目以上に部屋の防音や強度などに力を入れていると思われる。
それは陽菜の部屋に居るときから感じていた。
隣室に誰も居ないので当たり前かも知れないが、他の部屋の物音が全く聞こえないのだ。
この学生寮には他に住んでいる人が居ないんじゃないかと思えるほどである。
「大丈夫よ。壊れたら壊れたで対策は考えてあるわ」
陽菜はそう言うとレイピアを取りだし、壊れた壁の穴を綺麗に整えていく。
綺麗に四角くとの得たところでふぅと一息つく。
「さぁ冬夜。ここを凍らせなさい」
「え?どういうこと?」
「どういうこともなにもここをちゃんと修理するまで冬夜の作る氷の壁で代用するのよ」
彼女の口から飛び出したのはとんだ無茶振りだった。
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