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「あ、当たっちゃった?まぁそれだけじゃないだろうけど、諦めなさい。
今後の事はなるようにしかならないもの。今悩んでる暇があったら温かいうちにご飯でも食べなさい」
「そっか……それもそうだな。大先輩の陽菜が言うんだからきっとそうなんだろうな。
よし、そうと決まれば温かいうちに頂くよ」
既に選んでしまった以上、彼女の言う通り諦めるしか無いのだ。
今から元の生活に戻りたいと言えば、おそらく陽菜も神崎も快く受け入れて貰えるだろう。
しかし、それは冬夜自身が許さない。
せっかく真冬の足取りを掴んだこの状況をやすやすと手放すわけにはいかないからだ。
生活は今まで通りで真冬の情報のみを得るなんて虫のいい話がある分けがない。
そうであるなら今の道を外れず進むしか無い。
今ある道が一つしかない以上、彼女の言う通り諦め覚悟を決めるしか無いのだ。
冬夜は陽菜に言われた通り、ご飯に手を伸ばす。
「前から思ってたけど陽菜って料理上手いよな」
「ありがとう。毎日作ってれば上手くもなるわよ。せっかく作るのに美味しく無いもの食べる気もないし」
「やっぱりすごいな陽菜は」
陽菜の言い分はわからない事はないが、それを出来る辺り彼女の才能なのだろう。
誰でも出来ることだとしてもそれを続けられるのは才能だ。
「変な冬夜ね。別に変わったことしてないわよ?」
冬夜はそうだなと同意すると陽菜の料理に戻る。




