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「はぁ……これからどうなるんだろうな……」
「なーに柄にも無く悩んでるのよ。ご飯できたから準備して頂戴」
陽菜はそう言うとキッチンから次々と夕飯を運んでくる。
どうやら夕飯はハンバーグのようだ。綺麗に盛り付けられておりとても美味しそうだ。
陽菜の腕前は既に証明されているため、何が出てきても美味しいのはわかっている。
それだけに普段なら楽しみにして居ただろう。
「なぁ陽菜。俺そんなに悩んでるように見えたか?」
「そりゃソファでうなだれながら溜息付いてる人を見たら誰だってわかるわよ。
ちなみにその悩みは悩んでるだけ時間のムダだからやめなさい」
「そんなこと言われたってすぐには無理だ。
正直自分でもここまで悩んでると思わなかったんだから……」
彼自身も驚いているのだ。
姉が関わっていたとは言え、学園に来ることを決めたのは自分自身だ。
自分で言い出しておきながら何を今更と言われても仕方がない。
それらを全てわかった上で今後のことについて悩んでいたのだ。
「昨日までそんな考えて無かったじゃない。
あ、さてはアレね。とっておきの秘密兵器が通用しなかったことがショックだったのね!」
「そ、それは無いこともないかもしれないけど……」
陽菜の言うことは外れてはいない。
結果としてあの時の勝負は冬夜の勝ちではあったが、実質陽菜の圧勝だった。
みんながみんな彼女の様な実力とは思いたくないが、少なくとも今の冬夜ではこの学園では最底辺付近の実力なのは間違いない。
その道に足を踏み入れてしまった以上、今の実力で今後どうなるのか不安になるのも無理は無い。




