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「さ……つき?俺と同じ名前なんて珍しいな?」
「そんなわけないでしょ。そこは冬夜の部屋よ……」
陽菜ははぁと深く溜息をつく。
なにもそこまで落ち込む必要は無いと思うのだが、彼女なりの理由があるのだろう。
そんなことよりも冬夜には気になることが一つあった。
「でもなんで名前が同じってだけで俺の部屋だってわかったんだ?」
「ここはうちの学部の寮なのよ。私はうちの学部に皐月なんて人聞いたこと無いわ」
彼女の意見も一理ある。
学部の生徒の名前を全て聞いたことが無かったとしても、学生寮にから通う生徒の名前くらい聞いたことがあってもおかしくはない。
それに今の中途半端な時期に学生寮に入ってくる生徒なんて限られている。
「ちなみに隣が冬夜だと思った根拠の一番は手配したのがアイツだからよ」
「アイツ?神崎……先生か?」
陽菜はコクリと頷く。
神崎の考えも理解できる。
冬夜はまだ学園に慣れていないので、ここで唯一の知り合いである彼女にサポートをさせるつもりなのだろう。
「多分冬夜は勘違いしてると思うから教えてあげるけど、これは親切心じゃなくて嫌がらせよ」
「嫌がらせ?」
「そうよ!せっかく私が最上階の角部屋と言う環境で伸び伸び過ごしてたのに冬夜が来たらのんびりもしてられないじゃない!」
陽菜の言い分もわかるがそこまで嫌がられると流石に精神的に辛い。
「なんか、ごめんな……邪魔しちゃって……」
「ま、良いわよ。遅かれ早かれ隣には誰か来るはずだったんだもの」
「そうか。すごく嫌がられてると思ったからそう言って貰えるなら助かるよ」
これ以上、寒空の下で話していても仕方がないので2人は陽菜の部屋へと入ることにする。




