70/114
-26-
「お邪魔します。陽菜の部屋なんて最後に来たのはいつだろう」
「何年前の話してるのよ……あの頃とは違うんだからあんまり見ないでね」
陽菜の部屋は思ってたよりも質素なものであった。部屋の広さは1K程だろうか。
部屋へ続く扉は閉ざされている為解らないが、キッチンでは家具、家電など全て似たようなデザインで統一されており、シンプルながらこだわりを感じられる。
彼女の性格故だろう。部屋の中は綺麗に整頓されており、それもまた部屋のシンプルさに拍車をかけているのかもしれない。
良く言えば綺麗に整理整頓された部屋だが、悪く言うならば生活感がない部屋といったところだ。
「昔はもっと散らかってた気がするけど、かなり整頓してるんだな」
「そりゃあの頃とは違うって言ったじゃない。私も成長するのよ」
冬夜はそれもそうかと答える。
彼の記憶にある陽菜の部屋はぬいぐるみで溢れかえり、色合いもピンクやオレンジと言ったいかにも女の子と言った部屋だった。
それに対し今の彼女の部屋は家具、家電は似たようなもので揃えられており、色合いも白を基調としているものが多い。
とは言え、最後の記憶も小学生くらいの記憶のため、好みが変わっていてもなんら不思議ではない。




