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「とりあえず、冬夜にはこれくらいの魔術なら対抗出来るようになってもらいたいわね」
「魔術に全く歯が立たない用じゃこれから話にならないしな」
冬夜は落ち着いて自分の状態を確認する。
まだ体力は残っている。まだまだ動ける余裕はある。
魔力もおそらく無くなることはない。昨日ほどの疲労感は無いので、陽菜から貰った薬が効いているのだろう。
余力は残っているのだ。
そうであるなら、自分から望んで学園に来ている以上、諦めるわけにはいかない。
「まだ使いたくは無かったんだけど、いい機会だし秘密兵器の練習台になって貰うよ」
「昨日言ってたやつね。良いわよ受けて立って上げるわ」
陽菜は再び地面に線を引く。
彼女の前には明らかに魔術を使ってできた風の壁が形成される。
「これで良いわよね?」
「ああ。それで大丈夫。この1回で今日の練習は終わりになるだろうから」
冬夜は一気に全身に魔力を込める。
そうすることで、陽菜が非効率と言っていた理由がよくわかる。
今は確かに元々の能力より高いパフォーマンスを発揮できるだろう。
しかし、先程までとは違い気を抜くと一気に力が抜けてしまう感覚がある。
それに余り長い時間この状態では動けないだろうというのも直感的に理解できる。
『秘密兵器とは言ってるものの、このくらいまで動ける状態じゃないと使えなそうと言うのはなかなか厳しいな』
陽菜はさほど興味が内容でレイピアをくるくる回しながら退屈そうにしている。
彼女の反応も無理も無いだろう。ここまで、冬夜は陽菜に一矢報いるどころか攻撃を回避するので精一杯だったのだ。
それが攻めに転じたところでどうにかなるとは思えない。




