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魔術使いの成長譚  作者: 水無瀬
Episode2-編入-
61/114

-17-

「それだけ言える余裕があれば大丈夫ね。今日は、冬夜は私に勝てないって思い出させてあげるわね」

「はは。そいつはとってもありがたーーーー」


冬夜が喋り終えるよりも速く陽菜は距離を詰め、突きを繰り出す。

先ほどと同じ手ではあるが明らかに速度が違う。

冬夜はかろうじてそれを弾く事ができたが、魔力で強化していなければ反応出来ないレベルだ。

陽菜は後ろに飛び再び距離を開ける。

あれだけ一瞬で間合いを詰められるのだ。無理に冬夜の間合いに居なくてもいいということだろう。


「うーん。今のも弾かれちゃうのね……結構いい線行ってると思ったんだけど」

「ま、まぁこれくらいなら……まだまだ余裕だな」


もう一度大きく深呼吸をすると今度は冬夜の方から駆け出す。

陽菜の速度に比べるとだいぶ遅く感じるが、普通に見たら十分な速度は出ている。

彼女はなにを考えているのか、武器を構えることすらしない。


『なんで構えすらしないんだ?なにかあるかもしれないけど、今は行くしか無いか』


無策で棒立ちしているわけでは無いのは丸わかりだが、今の冬夜にそこまで看破することは出来ない。

仕方なく誘いに乗る形で正面から斬りかかる。

陽菜は一歩下がるとレイピアで地面に線を引く。


「くっまず……」


その時何かが見えたので、冬夜は急に動きを止め、後ろへと倒れ込む。

次の瞬間、陽菜の引いた線から強烈な風が吹く。


「冬夜良く止まれたわね。素直に褒めてあげるわ」

「こっちこそ素直に受け取っとくよ。ありがとな」

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