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「それだけ言える余裕があれば大丈夫ね。今日は、冬夜は私に勝てないって思い出させてあげるわね」
「はは。そいつはとってもありがたーーーー」
冬夜が喋り終えるよりも速く陽菜は距離を詰め、突きを繰り出す。
先ほどと同じ手ではあるが明らかに速度が違う。
冬夜はかろうじてそれを弾く事ができたが、魔力で強化していなければ反応出来ないレベルだ。
陽菜は後ろに飛び再び距離を開ける。
あれだけ一瞬で間合いを詰められるのだ。無理に冬夜の間合いに居なくてもいいということだろう。
「うーん。今のも弾かれちゃうのね……結構いい線行ってると思ったんだけど」
「ま、まぁこれくらいなら……まだまだ余裕だな」
もう一度大きく深呼吸をすると今度は冬夜の方から駆け出す。
陽菜の速度に比べるとだいぶ遅く感じるが、普通に見たら十分な速度は出ている。
彼女はなにを考えているのか、武器を構えることすらしない。
『なんで構えすらしないんだ?なにかあるかもしれないけど、今は行くしか無いか』
無策で棒立ちしているわけでは無いのは丸わかりだが、今の冬夜にそこまで看破することは出来ない。
仕方なく誘いに乗る形で正面から斬りかかる。
陽菜は一歩下がるとレイピアで地面に線を引く。
「くっまず……」
その時何かが見えたので、冬夜は急に動きを止め、後ろへと倒れ込む。
次の瞬間、陽菜の引いた線から強烈な風が吹く。
「冬夜良く止まれたわね。素直に褒めてあげるわ」
「こっちこそ素直に受け取っとくよ。ありがとな」




