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「なに?学生が学園の施設を使ったらいけないの?こっちはちゃんと先生の依頼で来てるんだから文句は言わせないわよ」
その男は流石に教員の許可には敵わないらしく、不満そうな顔をする。
「チッ……勝手にしろよ。ただし、もう壊すんじゃねーぞ」
「待ちなさい。アンタが居るならちょうどいいわ。武器、貸して頂戴」
陽菜は満面の笑みで手をのばす。
今日ばかりは相手が逆らえないのを良いことにだいぶ楽しんでいる様子だ。
「あ?てめぇは、自分のあんだろうがよ」
「私のくれなんて言ってないわよ。ここにいる冬夜の分の話よ」
男は今になってようやく冬夜に気づいたようで、頭の上から足の先までじっくり見られる。
初対面の人にここまで見られると余り良い気はしない冬夜だった。
「ん?新入りか。それよりもそいつ、もう持ってんじゃねーか」
「え?わかるのか?」
「あたり前だろ。俺を誰だと思ってんだよ」
自信満々に言われるが、初めて見る相手にそんなことを言われても困る。わかるわけがない。
「えー……そんなこと言われても俺、初めて会った人のことなんてわかんねーし……」
「まぁそれもそうだな。俺は神宮寺 光だ。ここの管理人と鍛冶屋まがいのことをしてる」
光によろしくなと言われ、手を差し出されたため冬夜も大人しくその手を取る。
「ま、とりあえずはよろしくな。まずは先輩に対する口の利き方を覚えるとこから始めたほうが良いぞ」
「あ、すいません。って先輩……?」
冬夜は不思議なものでも見たかの様に固まってしまう。
光は確かに若く見える。しかし、それは20代だと仮定した場合の話だ。
先輩と言うからには18なのだろう。とてもじゃないがそうは見えない。




