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「おや?今日は時間通りに来れたんですね」
昨日と同じ部屋に入ると、そこでは神崎が書類と格闘しているところだった。
学生は休み中だが、教師はどうもそういうわけにはいかないらしい。
「ま、当然よね。普通は遅刻なんてしないわよ。ね、冬夜?」
「お、おう。それが普通だもんな……」
唐突に飛んできたキラーパスに冬夜はなにも言い返すことが出来ない。
一方飛ばした側はと言うと、ニコニコして何やら楽しんでいるようだった。
毎回のことではあるが、冬夜からすれば彼女が仲間なのか敵なのかわからなくなることが多々ある。
「冗談はそれくらいにして、今日来ていただいたところ申し訳ないのですが、見ての通り私は今日ろくに動け無さそうです。
なので、今日は2人で実技の方の練習をしてきてください」
「実技?魔術のか?」
「うーん。そうと言えばそうですね。詳しくは立花さんに後ほど聞いてください」
神崎はそう言うと何かの鍵を陽菜に投げる。
彼女はその鍵を見ると露骨に嫌そうな顔をする。
「ところで、神崎先生?この鍵を使う場所に、冬夜と誰が行くんでしょうか?」
「ふふ。立花さんは面白いことを言いますね。貴女以外行ける人はこの場に居ないでしょ」
「嫌よ!なんで私が、あそこに行かなきゃ行けないのよ!」
冬夜は鍵の場所がどこかはわからないが、反応を見る限り楽しい場所では無いのだろう。
神崎は陽菜の言い訳を一通り聞いたところで、じゃあお願いしますねと言って仕事へと戻る。
「はぁ、仕方ないわね……冬夜、行くわよ」
「行くってどこへ?」
「あー、修練場っていうちょっと広い体育館みたいなところがあるからそこよ」
修練場までの道中、陽菜からより詳細な説明を受ける。
修練場は文字通りの場所であり、学園のプログラムにある戦闘の実戦を練習する場所だそうだ。
各学部に1箇所ずつ有り、修練場の中でまた数室に分かれているらしい。
第3学部が所有する修練場の中でも、神崎が管理している場所があるのでそこに行くそうだ。




