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「陽菜!追いついたぞ。いきなり置いてかれた身にもなってくれよ……」
冬夜がしばらく走ると、目の前を走っている陽菜に追いつく。
途中抜かしてきた人たちには驚きの目で見られていたが、気にしている余裕は無かった。
周りからすれば、スポーツ選手よりも早く走り続ける学生を見たのだ。驚かれても無理はない。
「なんだ。もう追いついて来ちゃったのね。てっきり追いつかれないものかと思ってたわ」
陽菜は声をかけられると、走るペースを元の速さまで戻す。
冬夜もそれに合わせて速度を落とす。
彼女は汗一つかかず涼しい顔をしているが、冬夜の方はかなり汗をかいている。
「陽菜、なんでそんな涼しそうな顔してられるんだよ。速くは走れたけど、めちゃくちゃ疲れたぞ」
「冬夜が下手くそだからでしょ?慣れればこんなもんよ」
学園が見えてきたので2人は走るのを止め歩くことにする。
ここまで来ると部活なのか他の用事なのかわからないが、学園に向かう生徒がちらほら出てくる。
「俺は慣れてもそこまで行ける気がしないよ……」
「まぁ、多分冬夜には無理ね。まだ説明してないけど、魔術の属性によってちょっとしたボーナスみたいなものが貰えるのよ。例えばーーーー」
そこから学園に着くまで陽菜の魔術講座が開催される。
彼女の説明によると扱える魔術の属性によって、魔力で強化出来る能力にボーナスが追加されるようだ。
そもそも、魔力を流しているだけで身体能力の強化がされるらしい。
その為、意識せずとも魔力が流れている魔術師は基本的には魔術を使えない人より身体能力が高い。
今のように意図的に魔力を流すことで身体能力強化を図る事は出来るが、非効率的なため余り行わないそうだ。
ちなみにボーナスと言うのは火の属性であれば筋力が強化され、風の属性であれば持久力が強化されるとのことだった。




