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魔術使いの成長譚  作者: 水無瀬
Episode2-編入-
49/114

-5-

「な、なぁ陽菜!なんで、今、全力疾走しなきゃいけないんだよ!!」

「仕方ないじゃない!と、途中で電車が止まると思わなかったんだから!」


2人は学園の最寄り駅に着くなり、全力で学園に向かって走っている。

家を出た時間は悪くは無かった。なにも無ければ余裕を持って学園に着けたはずだった。

道中、電車が止まったりしなければ。


「だからって走ることはないだろ!?」

「なら、冬夜は歩けばいいわ。私はあいつになに言われるかわからないから走るけど!」


陽菜はそう言うと更に加速をしていく。

彼女の言うとおり、昨日ですら神崎に遅刻の事はつっこまれたのだ。

二日連続ともなると、今度はどれだけ言われるかわかったものではない。

それを考えると遅れるわけには行かず、冬夜も陽菜に着いていくよう加速をする。


「あら?冬夜、結構足速いのね。正直着いてこれないと思ってたわ」

「多少は身体は動かせるからな。これくらいならまだ行ける」

「じゃあ、冬夜にテストしてあげる。今から更に上げてくから頑張って着いてきてね」


一瞬陽菜の足が白っぽく輝いたような気がすると、目に見えて加速する。

その加速が自力のものでは無いのは誰が見ても明らかだ。

陽菜がテストと言ったから、魔術絡みのことではあるのはわかるが、如何せん方法が解らない。


「お、おい!陽菜!どうすりゃ良いんだよ!」

「ちょっと足に魔力込めるだけで行けるから。私は先に学園で待ってるわね」


陽菜はそう言うと走り去ってしまう。

その速さは完全に普通の女子高生が出せるものを超えている。

そんなものに追いつけるわけも無く、冬夜はドンドン距離を離されていく。


「ホントにおいてきやがった……なんとかして、陽菜の言うとおりにしなきゃいけないってことか」


冬夜は昨日の事を思い出し、自分へと集中する。

昨日の陽菜の薬が効いたのか、自分の中に今までには無かった感覚が確かにある。

そして、その感覚を足の方へと集中させていく。

すると、上手く行ったのか両足が軽くなったような感覚を冬夜は覚える。

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