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「う、こ……ここは……?」
「おはよう冬夜。お早いお目覚めね」
冬夜が目を覚ますと、そこは自室だった。
更にそこには知らない人はおらず、居るのはよく知る幼馴染だけだ。
「あれ?俺リビングに居たはずじゃ?」
冬夜が気を失ったのは食事をしていたリビングのはずだ。
しかし、今は自室におり、しかも丁寧にベッドで寝かされている。
「あそこで寝かしといて風邪でも引かれたら面倒じゃない」
「うん、まぁそうだけど。それはありがたい配慮なんだけどね。俺が聞きたいのはそこじゃないんだ」
陽菜は不思議そうにしているが、不思議な事しか無い。
冬夜は決して小柄ではない。とてもじゃないが同い年の女の子では運べる軽さではないだろう。
彼の言葉を聞いた陽菜は言いたいことを察してくれたようで、あー、それね。と言って答えてくれる。
「私が運んで来たのよ。流石に自力じゃ運べないからちょっと工夫はしたけど」
「どうやっーーーー」
どうやって、と聞こうとした矢先冬夜の身体が宙に浮く。
何かに引っ張られて浮いているわけじゃなく、冬夜の下から風が吹いて持ち上がっているといった様子だ。
「え?えーーー!!!」
「そこまで驚く事はないじゃない。適当に魔術使ってちょちょいってやればすぐよ」
陽菜はそう言って、冬夜を浮かべるのをやめ、ベッドに落とす。
「陽菜、お前なんでも出来るんだな」
「陽菜様は料理も魔術も出来る万能体だから当然よ!」
陽菜は得意気になりそう告げる。
目覚めてすぐドタバタしていたが、このドタバタによって冬夜はちゃんと元のところに帰ってきたことを実感する。
「で、冬夜。魔術今なら使えるんじゃない?」
「え?俺寝てただけだぜ?」
陽菜は冬夜の答えを聞くとまぁいいからと言ってみかんを投げる。
咄嗟にみかんを受け取るとみかんが変化する。
そのみかんは綺麗に氷の塊へとなったのだ。




