-28-
「変な冬夜ね。あ、もしかして久しく料理なんて作ってもらってなかったから驚いたとか?」
陽菜はいたずらな表情をして冬夜を覗き込む。
確かに久しく誰かに料理を作って貰ったことなんて無かった。
作るにしても自分ひとりが食べる分なので、ここまでしっかりとは作らない。
「そうかもな。ここまでしっかり作れるとは思わなかったし」
「ふふふ。陽菜様にはこれくらいチョチョイのチョイよ」
褒めてるのかそうでないのかわからない言葉では有ったが、陽菜は満足したのか笑顔になり食事を始める。
冬夜も料理に手をのばす。
陽菜の料理は見た目通り、とても美味しく出来ていた。
味付けも濃くもなく薄くもなくちょうどいい。
しばらく無言で食事を楽しんでいたが、陽菜があのさ、と話を始まる。
「あのさ、冬夜。まだ疲れてる感じする?」
「ん?あー、言われてみればさっきよりはだいぶマシだな」
「なるほどね。それの原因がわかったわ」
陽菜に説明された原因は魔力不足だそうだ。
ろくに魔力を使ったわけでは無いので、普通はこんな事にはならないらしい。
しかし、冬夜は魔力こそ有ったもののそれを使うことは今まで無かったので、そのせいもあるかもしれないとのことだった。
「なるほどな。ってか魔術使うのってこんなに疲れるのかよ……」
「普通はそんなことないわよ。まぁ冬夜の場合色々運が無かったと諦めるのね」
2人はその後他愛もない話をしながら食事を続ける。
テレビを見ながら感想を言い合ったり、最近話題になっているTV番組や映画などの話をする。
久しぶりに会うとは思えないくらい自然に話せていて、自分たち自身が驚き、それでまた笑いあったりなどしていた。




