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「じゃあ冬夜、キッチン借りるわね!あ、買ってきたものはこっちに並べといてちょうだい」
「もう、好きにしてくれ……」
学園から戻ってきた2人だが、元気な陽菜とは対照的に冬夜は疲れ切っている。
最寄り駅まで帰ってきたところまでは良かったが、その後の買い物。それがまずかった。
陽菜はあっちこっちからものを取ってきては冬夜の持つカゴに入れていく。
そこまでしっかりした料理をしない冬夜からしたら、なんでこんなに山積みになっていくのか理解できない。
買い物が終わり陽菜は上機嫌で家へと向かうが、荷物持ちをさせられている側はそこまでテンションを上げられない。
「陽菜、ここに置いとくぞ」
「あー、ありがとう冬夜。ご飯できるまでどっかで転がってて良いわよ」
陽菜はどこから持ってきたかわからないが、いつの間にかエプロンを付け、器材を探していた。
「じゃあ色々有ったし疲れたから、そうさせてもらうよ」
「そうしなさい。すぐ出来るから」
冬夜は陽菜に声をかけると2階の自室へと向かう。
朝以来の自室だが、とても久しぶりに帰ってきたようなきがする。
そう思うのも仕方はないだろう。今日だけで様々な情報が冬夜には入ってきた。
姉のこと、魔術のこと。今まで知りたかったことや知らなかったことまで様々だ。
冬夜は仰向けにベッドへ倒れる。
「はー……俺、これからあの学園で生活しなきゃいけないんだよな……」
右も左もわからぬままだが、魔術学園への編入は確定している。
他でも無い、自分がそう告げたのだ。
「文句言ってても仕方ないし、せっかく姉さんの情報も手に入れたんだから、なんとかして合わなきゃな……」
冬夜はそう呟くと両目を閉じ、意識を手放す。




