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学園の喫茶店は小洒落た外観をしている。
普段であれば、この場所も生徒で賑わっているんだろうが、今はほぼほぼ貸切状態だ。
「昼飯買って貰っちゃったし、俺がなんか買ってくるよ」
「そう?じゃあ紅茶でも買ってきてちょうだい。あ、温かいのね」
了解と答えると冬夜はカウンターに買いに行く。
カウンターで紅茶と自分のコーヒーを頼む。
スタッフのお姉さんから飲み物を受け取ると、陽菜を探してウロウロする。
「冬夜!こっちよこっち!」
陽菜は室内の角の席を取っていた。そこで手を振りながらこっちを呼んでいる。
「ぱっと見でわからないとこに隠れるなよ」
「まぁ、角っこの方がお話しやすいでしょ?」
冬夜から紅茶を受け取ると笑顔でそんなことを言う。
互いに久々に会うため、話すことはたくさんあるだろう。
「冬夜、一応確認するんだけど、ここに来たのは真冬さんに会いに来たためよね?」
「ああ、そうだよ」
しかし、実際は飲み物を飲みながら、無言の時間がしばらく続いていた。
陽菜がそんなことを言い出し、この無言を破った。
冬夜としては、無言の空気に耐え切れなかったのでとてもありがたい。
「まぁ昔から後先考えないとこあったけど、魔術も使えないのに魔術学園に来るとは思わなかったわ」
「後先考えないって陽菜だけには言われたくないけどな……」
はぁと大きな溜息を陽菜がつく。
その様子は何かを諦めたような感じであった。
「どうしたんだよ?そんな溜息ついて」
「いや、冬夜をなんとかここから追い出せないものかなって考えてたんだけど、やっぱりどう頑張っても無理だから諦めたのよ」




