23/114
-18-
冬夜が始めた練習は内容だけ見ればとても簡単なものであった。
その内容はただ単純に冷凍ミカンを作るだけなのだから。
しかし、それは魔術が扱えるならの話だ。
全く魔術が扱えない冬夜にとっては地獄のような練習だった。
「はああああああああ!!!」
「気合だけは十分なようね……」
陽菜があきれるようにそう言うがそれももっともである。
この練習を初めてからすでに2時間は経っている。
練習の成果はまだ表れておらず、あれからみかんはなに1つ変化すらしていない。
寧ろずっと手に持っていたため、温まっている。
「ふむ。まぁあまり期待していませんでしたがこれは酷いですね」
これまで全く口を挟まなかった神崎が急に口を開いた。
何か思いついたのかちょっと待っててくださいというとどこかに行ってしまった。
「お待たせしました。これを付けてみてください」
冬夜は腕輪のようなものを渡される。
その腕輪は特別なものは特になく、しいて言うなら恐ろしいくらい無機質な点だ。
見るからに普通の腕輪でないことは誰にでも見て取れる。
「この腕輪なんか意味あるのか?」
「ええもちろん。立花さんこれを付けてなんか魔術を使ってもらえませんか?」
陽菜はしょうがないわねと文句を言いつつも、腕輪を付けて手から小さな火の玉を出して見せる。




