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side 12-1

「お兄ちゃん、ちょっと。」

三久が凄い剣幕で此方にやって来た。俺何したっけ?


GWが明けてCDも販売し緩やかに売れてるのを確認した頃、変なタイミングで母さんから実家召集の連絡が入った為戻っている。

何か話があるらしいがこれは三久の事なのか?


スッとスマホ画を目の前に翳されると既視感ある写真だった

「ああ!悠兎さん!」

山下公園で一緒に撮影した今日の記録として写真SNSに載せて良いか聞かれたのを思い出した。チャダがシャッターを押したんだっけ。

「うわ…こう見ると俺って凄い普通…」

「そんな事より何でお兄ちゃんと悠兎が同じ写真に収まってんのよ…」

「何でって…先月一緒に対バンしてから良くして貰って、この前撮影で来た時に誘われたから飯食って…」

「はっ?」

呆れたっと言うか引いたと言うか、まぁ驚いた表情で此方を見た

「聞いてないんだけど⁈」

「言ってないから当然だね。」

時々呼ばれるしがない読者モデルと言っていたけど、あの人集りといい三久の反応といい、実は有名な人なのか?

「三久、悠兎さんって有名な人?」

「それも知らないの?この数年はバンド優先したいからって雑誌から遠ざかってるだけで、男性読者モデルの中では有名な方なのよ!」

へー。ワイルドドックを始めてから名古屋に移住したとは聞いていたけど、元からあの仕事はしていたんだな。

「お兄ちゃん!悠兎の裏話何か頂戴‼︎」

ツンな妹が珍しくはしゃいでるけど、間違っても拷問に詳しいとか酒癖悪い話やカレーを飲んでる話なんかしたら謎に怒られそうだな。

「そうだな…裏話じゃないけど、6月に俺等のワンマン来てくれるって。」

「それって最重要機密じゃない。」

「大袈裟だな。まぁ悠兎さんは名古屋の人だし忙しい人みたいだから、本当に来るかどうか分からないけどね。」

「確定したら私も行こうかなぁ…でも私、ロックとか分かんないんだよねぇ。しかもステージにお兄ちゃんで何となく恥ずかしいし…」

「………別に来なくてもいいぞ?」

「嘘嘘!冗談だってば!」

すとんと三久が座りSNSを見ながら暫く悠兎さんのエピソードを色々聞く。

聞いてる限り過去のモデル業はとても良好に感じるけど、突然インディーズバンドに活躍を移したきっかけって何だろ?

生憎最近の悠兎さんしか知らないからな。何か大きな機転があったんだろうな。もしかしたらそれも例の天使が関係しているのだろうか?

「そういや三久、今日呼ばれたのって何?」

話の流れだと先ず三久の事じゃないのは分かった。

わざわざ俺を呼ぶって事は家族間で何か大きな事があったって事だ。母さんの表情から見て悪い話ではないみたいだけど…

「あれ、お兄ちゃん何も知らないで来たの?」

「うん。母さんが『とりあえず来い』しか言わなくてさ。」

「あのね…」

ピンポーン!と部屋のチャイムが三久の発言を遮る。

廊下から母さんの返事と小走りする音が響いた。

「あれ、今から来客?」

「そうだよ!一美ちゃんの婚約者だよ!」

え?婚約?

「一美ちゃんが?」

「そう。私も先日会ったの。優しそうな人だったよ!」

「一美ちゃん結婚できんの?」

「そりゃ成人した良い大人だよ?出来るに決まってんじゃん。」

謝辞謝礼が言えないわ家事がほぼ出来ない一美ちゃんに貰い手がいた事に正直驚いてる。

それって本当に大丈夫?数日後にお暇を貰ったりしてない?

「お兄ちゃん…今、滅茶苦茶失礼な事を考えてるでしょ?」

怪訝そうな表情の妹に素直に頷いてしまった。

ワイルドドックのフォローはしてないので今更気付いた三久ちゃん

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