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世の中はゴールデンウィークに突入したと今朝のニュースで改めて知ったのは、名古屋遠征から1週間程経過した土曜日。
連休だからと言って何処に行く訳でも無く、実家に帰るわけでも無い。期間中も相変わらず家とバイトとscreamの往復がメインの生活である。
暫くは遠征の余韻の中に居たけど、ネットやSNSで見る自分達とワイルドドックを見比べて自分はまだまだ未熟だなぁ。と反芻するばかりだった。
昨夜は今回の案件を紹介してくれた円堂さんに報告とお土産を渡しに行った時もライブ映像は見てくれてた様で「僕は良かったと思うけどな。」と言ってくれたけど、素直に受け入れてられないのは矢張りまだまだな点があるからだと思ってしまう。
相手からの評価を素直に受け入れる事が出来たら、多分その時は音楽で生きていける自信へと繋がって行くと思うんだ。
「へぇ。これでレコーディングスタジオっぽくなるのか…」
様々なマイクやアンプ、器具、配線達がscream内で所狭しと並ぶ。見慣れたライブハウスはまるでレコーディングスタジオに見えた。
「元々screamを構えた時にライブは勿論、録音も出来るスタジオ代わりにもなる様に作ったからね。」
よく見るスタジオとは異なるのはブースとコントロールブースが一緒になっていて、隅に小さく設置されてるミキシングコンソールには円堂さんが座っていた。
「今は高品質な機材で低価格で貸してくれるスタジオも増えたけど…アカシャグマは本当にファーストアルバムはscreamで良かったのかい?」
「はい。最初は絶対にscreamでって俺達決めてました。」
アルバムを作る話が出た時、最初に決めた事。ずっと一緒に活動をしていたこの箱も、俺達にとって大切な戦友だ。
「何て言ったって、円ちゃんがエンジニアやってくれるんだから!そりゃscreamでやるしかないでしょ!」
準備を終えた大雅も此方に入って来た。そう。それも理由。
音楽業界出身とは知っていたけど、実際機材を動かす姿を見るとスタジオミュージシャンみたいな事をやってたんだろうな。型にハマった感じがして何時も以上に格好良く見える。
「おいおい。一昔前の古い人間を褒めたって何も出てこないぞ?」
「円ちゃんはセンスの塊だもん。センスに古い、新しいは関係ないし。」
な!と大雅の台詞に同意して頷いた。
「なので、改めて今日は宜しくお願いします!」
「分かってる。此方も全力でアカシャグマの真髄を引き出せる様に頑張るよ。っても収録作業するのは久しぶりだから納得いかなかったら言ってくれよ?」
聞いた話だと必ずしも円堂さんが出張る事は無いそうだ。
鳰君情報だと彼みたいに1人で活動してる人や初心者な人。後は気に入ってる人じゃ無いと依頼しても上手くかわして手は出さないそうだ。
今回の参加は俺達が初心者だからだろう。次は無いだろうから 糧になる所はしっかり吸収しておこう。
「円堂さん、準備終わりました。そろそろ始めますか?」
尚典と雷華、手伝いをしていたチャダも合流する。
「オッケー。じゃあ始めようか。楽曲は…このリスト通りで良いか?」
「はい。円堂さんが思う所があれば変更しますが…」
リストを見たまま少しの沈黙の後に
「いや、これで良いよ。逆に上手く選んだね。雷華か?」
「俺達ではありますが…チャダが大分選んでます。」
「そうなんだね。何時も思うけどチャダは本当着眼点が良いね。じゃあ1曲目から。チャダは僕の手伝いだ。」
「はあい!」とそれぞれの定位置に着く。
練習の場にもなってるせいか、初レコーディングとは言えそこまで緊張していない事に気付く。この調子で今日はやりきろう。
忘れてるかもしれませんが、円堂さんは昔大手のレコード会社に勤めてました。エンジニアやってました。




