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数日振りの自室へ帰還した。

みんなと過ごしたのも楽しかったけど、しん…とした無音の部屋で漸く落ち着く事が出来そうだ。


ライブ開始からは全てが流れる様に物事が過ぎてゆく。

いつもそうだ。気が付けば演奏が終えていて、オーディエンスからの賞賛の声で「そうか。もう終わってしまったのか」と気付かされてしまう。

アウェーとは言え500人の前で演奏をやり切れたのは、アカシャグマとしては大きな経験値になったと思う。

辰治さんの根回しが成功した様で、俺達の立場が悪くなる事は無く逆に暖かく迎えてくれたのに感動した。

勿論、本来の姿を取り戻した虎太郎君は更に凄かったけどね。

高校生であの風格だからな。本当すごいよね、彼。

結局はワイルドドックの圧倒的なレベルの差を見せつけられて今回は終わった。まだまだ自分達の努力が必要だな。

自信になった所も多少はある。例えば物販。

持ち込んだ数や件数は確かに少なかったけど、なんだかんだで全て完売となったのだ。

販売時に軽い混雑になった時にチャダが上手く入ってくれたのでとても助かった。きっとハニー&バニーでのバイトが生かされたのだろう。そういやチラッと由紀恵が居た気がする。わざわざ名古屋まで来ていたのかな?連絡くれれば良かったのに。

前夜の刺々しさとは打って変わっての内容で俺達のライブは無事終了となった。



「あー。終わった。今日はもう何も出来ないわ。」

スケジュールが割とタイトなせいか、今回は誰も俺の部屋に寄らず全員自宅へと帰って行ったからな。

「チャダ、洗濯物は出しておいて。軽く片付けたら買ってきたの簡単に用意するから夕飯にしよ。」

「分かったー!太郎の鞄も貸して。一緒に出しちゃうね。」

「頼むわ。」

そういやチャダと2人きりも久々だな。

今回の遠征でチャダと言う生命体にも一歩近づけた。

悠兎さんとは連絡先を交換したし、何かあれば連絡もくれるそうだ。仕事で時々東京に来るそうだから又会う事も約束した。

「太郎!片付け終わったよ!夕ごはんは何ナニ?」

「冷凍庫に眠るカレーとご飯、さっき買ってきたコロッケでコロッケカレーと見切り品のコールスローでいい?」

「チャダ、太郎のカレー大好き!」

無邪気に笑うチャダの笑顔を見るとワイルドドックとの打ち上げを思い出した。



関口さんの御厚意でそのままパーパーで打ち上げをしてくれたんだけど、誰かのアルコールを虎太郎君が間違えて飲んでしまったんだよね。

高校生の勿論未成年。恐らく初のアルコールだろう。そこからはカオスの一言だった。

どうやら虎太郎君は泣き上戸らしく、チャダと離れたく無いと「俺もチャダと一緒に帰る」と訳分からない事を言いながらチャダに抱きついたまま永遠と泣いてた。

何とか雷華と悠兎さんが無理矢理剥がし、暴れた虎太郎君を悠兎さんは椅子に拘束したんだっけ。

「梁から吊るされないだけマシと思え。」て言う悠兎さんの隣で「吊るせぇぇぇ!」 て辰治さんがケタケタ笑いながら何処からか縄を持って来て振り回し笑いながら全速力で走ってた。どうやら辰治さんは笑い上戸らしい。

マシなのは悠兎さんかと思いきや、後半黙々とカレールーを飲んでいたからな。マジでカレーは飲み物な人は初めて見た。

ワイルドドックは全員酒癖が最悪という事が良く分かった所で、最終的には関口さんの鉄拳が飛び出して場は治ったのだ。




「凄い楽しかったよねぇ。又みんなとご飯食べたいなぁ。」

チャダは目を細めて笑っていたけど、次回以降はアルコール無しでお願いしたいな。

「そうだな。ホラ、カレー食べて今日はもう休もう。」

「うん!あ、ねぇねぇ!」

食事と一緒に出したアイスティーのグラスを持ち上げて俺の方に差し出すと

「乾杯!本当にお疲れ様、太郎。」

改めてそんな労い方をされると気恥ずかしいものだが、それを上回る嬉しさが込み上げる。

同じ様にグラスを合わせて初遠征完遂となった。

ライブ終わりました。打ち上げは基本カオス

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