side 8-2
チャダside
「………誰。その子。」
チカチカの妹からやや強めな言葉を浴びてしまった…。
客席後方で太郎と鳰さんの3人でライブ鑑賞となり、時々男性2人が話す内容は何一つ理解出来なかったけど、2人とも笑顔だから自分の事の様に微笑んでみた。
きっと音楽の事だろう。これを糧に2人共また良い音楽を作ってくれると嬉しいな。
エレクトリック⭐︎エコーの定期ライブは終始素敵なライブで、踊り出しそうだったけど鳰さんも居たので堪えてみた。
太郎も鳰さんも高評価な内容を話していたので、やっぱり彼女達は凄いんだなって思った。
公演後、オーナーさんに挨拶と同時に連れられてステージ裏側に太郎と鳰さんと移動する。太郎に何処へ行くのか聞いたら「2人に挨拶しに行くんだよ。」と教えてくれた。
楽屋と言われる小さな部屋に入ると最初にお姉さんが元気良く挨拶をしてくれたので慌てて自分も頭を下げた。
「あら、彼女は初めましてかしら?」
「はい!初めてましてです!ゆ…」
「ねぇ……誰。その子。」
と、まぁ、妹さんからジトって睨まれた訳で。
何かしちゃったかな?初めて会った時?でもチャダはポケット時代だし分かる訳無い…もしかして今?今日の話?チャダ、ノリが悪かった?やっぱり全力で踊れば良かった⁈
「こら!ミユちゃん!初めましての人に失礼よ!」
お姉さん人差し指で妹さんのおでこを連打する。地味にネイルが刺さってるよ。痛そ。
「何時迄もそんなんだからミユちゃんは未だに新しい学校でボッチなのよ!」
「痛い!痛い!痛い!そしてボッチは関係ない!」
「言い訳不要!ちゃんと誠意持って謝りなさい!」
……ハイ………と小さく返事をして再びチャダの正面に妹さんが立つ。
「………ごめんなさい。ちょっと…あの…強く出てしまいました。失礼しました。」
ペコリを頭まで下げられてしまう。別にいいのに…。
「初めましてなのに本当にごめんなさい。もう!この妹の突っかかる対応をフォローするお姉ちゃんの身になって欲しいわ。」
「だって……だってなんだもん…。」
此方を見てさっきまでの勢いは急激に萎んで行くのが分かる。
そう言えば妹さん。チャダを見てる様だけど、ずっと太郎と鳰さんを見ている。ああ。もしかして、そう言う事か。
「あの。」
「………何よ…。いや、何ですか……?」
訂正が入るくらいにお姉さんの視線に圧が入る。妹さんの一挙一動を捉えているけど、実はビビるくらいにお姉さんが怖いんだろうな。少しだけ小さな声で妹さんに近寄る
「どっちかに恋愛感情があるのね?」
「…………え…。」
「あのね太郎は仲間だし、鳰さんも今日知り合ったばかりだから。」
「………え、あ、そ、なの?……あ、あの、本当にごめん。」
さっきまでカリカリした表情だったのに、顔を赤らめて年相応の可愛らしく謝る言葉は最初の謝罪よりも心が入ってた。
妹さんって凄く不器用なんだろうな。
お姉さんが色々器用過ぎるから、逆に不器用さが余計に目立ってしまうんだろうな。
「良いんだよ。一生懸命なんだね。可愛いね。」
「べ………別に私…可愛くないし。」
「可愛いよ!ステージでは涼やかに格好良かったのに、今とのギャップが…」
「本当にごめんってば!私が悪かったあ!この話、今は勘弁して!!」
もぎゅっとチャダの頬を押し寄せて妹さんが小声で会話を終了させた。
手からも熱とドキドキを感じる。
人を特別に好きになるって、とても嬉しいけど歯がゆい気持ちなんだね。
チャダも太郎やメンバーみんな大好きだけど、それとは違うタイプの好きもあるんだね。今日も勉強になった!
「チャ…詩はミユちゃんとずっとコソコソ何話てんの?」
「秘密です。」
「秘密なの?」
太郎に続いて鳰さんも此方に近寄って話に加わった。
「……………秘密…だけど、彼女と友達になりました。」
頑張って絞り出した声で妹さんから友達認定を貰った!
お姉さんも喜んでる。妹さんは沢山愛されてるな。
「うん!チャダの友達なの!」
みんなに応える様に笑顔で宣言してみた。
誰にラブなんでしょうかね。
次回から本編に戻ります!名古屋へGO!




